紫色の鐘型のリンドウの花。
漢字では竜胆と書き、可愛い外観に似合わず、
漢方薬の熊の胆よりも苦いという意味で
竜の胆の漢字が当てられました。
漢方薬としても用いられ、
胃病み草(イヤミグサ)とも呼ばれます。
リンドウは日本の関東以西、
四国九州などの山地や草原に自生し、
古くから人々の暮らしの近くにありました。
その証拠にリンドウは
家紋の意匠としても用いられています。
その中で笹竜胆は源氏の家紋としても有名ですね。
自生しているリンドウは紫色です。
青味が強いもの、赤みが強いものなど
その土壌によっても多少の色の違いはありますが、
リンドウというと紫色を思い浮かべるように、
野山に咲くものは紫色が主流です。
花屋さんで売られている切り花は、
エゾリンドウの栽培種であることが多く、
リンドウよりも淡い青紫の花を咲かせます。
ピンク色の花を咲かせるリンドウは
このエゾリンドウ系のもの。
はっきりとしたピンク色の花が、
晴天の空に向かって花を開く様子はとても美しく、
光に向かってすっくと立つ姿は
「悲しんでいるあなたを愛する」「正義」「誠実」
という花言葉にとてもマッチしてます。
花言葉は他にも、漢方薬に使われているため
「病に勝つ」ことから「勝利」もありますよ。
漢方に用いられることから、
「元気でいてね」という願いを込められるため、
敬老の日の贈り物に使う人が多いようです。
リンドウ が可愛いピンク色!ピンクの花を咲かせる品種・4種をご紹介!
かわいピンクの花を咲かせるのは、
エゾリンドウ系の品種改良されたものが多いです。
エゾリンドウ系は、切り花向きの品種が多いですが、
近年では鉢植えむきの品種も多くなってきているとか。
ピンク色のリンドウの品種
メルヘンアシロ | 鮮やかなピンク色の切り花、花壇用のリンドウ。背丈は40〜80㎝です。 |
ももずきんちゃん | 明るく鮮やかなピンク色の花、はが小ぶりで、花が次々と長く咲きます。 |
しなやかハイジ | 長野県生まれのピンク色のリンドウ。 名前のようなしなやかなリンドウです。 |
花巻ビィーナス | 岩手県花巻市生まれのリンドウ。 ササリンドウとエゾリンドウの交配種です。 淡い紫色のピンクの花弁を持ちます。 |
岩手県八幡平、安代地方ではリンドウの栽培が盛んです。
岩手県はリンドウのシェアNO.1を誇ります。
安代地方で生まれたオリジナルの品種も多くあり、
白やピンク、パステルカラーなど
さまざまな色合いのリンドウも生まれています。
この四種以外にも、ピンク色のリンドウは多くあり、
花の咲き方や、花の形、色の濃淡など
好みの一花を見つけてくださいね。
リンドウはピンク色以外にも種類が増えている?珍しい色を咲かせる品種をご紹介!
リンドウは青系の花が多いですが、
近年は、ピンクや白、黄がかった白や、
白と青がグラデーションになったものなど
さまざまな種類が生まれています。
目を引くのは、白地に青のパステルベルや、
黄がかった白のエメラルディ、
薄い青が綺麗な安代の涼風でしょうか。
ピンクのものではアルプスの桃風も
白とピンクのグラデーションが美しです。
パステルベル | 長野県生まれのリンドウ。白と水色の複色で夏にぴったりの色合いです。 |
エメラルディ | グリーン系のリンドウ。白にうっすらと緑色がのっています、 爽やかで柔らかい色合いです。 |
安代の涼風 | リンドウの一大産地、岩手県安代地方の品種。 美しい水色のササリンドウ系の品種です。 |
アルプスの桃風 | 長野県JA信州諏訪で作られた品種。白地のピンクの複色です。 |
リンドウは、色の濃淡や花弁の形、
背丈などで大きく印象が変わるので、
お花屋さんで多くの種類を見て、
自分が一番好きな花を見つけてくださいね。
まとめ
高山植物としても有名なリンドウは
暑さに弱く、寒さに強いという特性を持っています。
一大産地は、岩手県八番平、安代地方。
安代地方ではリンドウの花き栽培が盛んで、
さまざま品種を作成、栽培しており、
最近では輸出にも力を入れています。
そのほかの産地は福島県や長野県など、
寒い地方での栽培が盛んです。
リンドウの属名「Gentiana」は薬効を発見した
古代ギリシア・ローマ時代のゲンティウス王にちなみます。
苦いけれど体にいいとされる
「センブリ」もリンドウ科の一種です。
胃腸薬の配合剤として用いられており、
健胃薬として有名です。
ヨーロッパでは、食欲増進や消化不良や
外傷治療などに用いられているとか。
日光では、ウサギによって
その薬効が伝えられたとされています。
日光ではリンドウは霊草とされています。
薬としても優秀なリンドウは、
花としても人気の花です。
日本は世界に先駆けて
リンドウの品種改良が行われてきました。
切り花が一般的ですが、園芸用の品種も多くあります。
ただし、暑さには弱いので
ベランダなどでは栽培が難しいでしょう。
リンドウの花の期間は9月中旬から11月上旬。
切り花でも、鉢植えでも、終わった花は摘んで、
次々に花を咲かせると長く楽しむことができますよ。
お日様に向かって咲くので、
日当たりの良いところに植えるといいですよ。
和風にも洋風にもアレンジできるリンドウ。
お気に入りの一花を見つけて愛でても、
たくさんの品種を配置して、
その色の違いを愛でても良いですね。