菊は9月から咲き始める秋を代表する花です。
元々は薬草として中国から伝来した外来種で、
重陽の節句とともに漢方薬として
奈良時代に渡ってきました。
重陽の節句は9月9日に行われる別名「菊の節句」で、
菊の花を飾ったり、菊を飲んだりして長寿を願います。
現在でも秋の行事として、菊花祭りなどが開催されたり、
菊人形を展示したりなどしていますね。
これも、邪気を払い、長寿を願う重陽の節句のなごりです。
菊は皇室の紋章としても用いられています。
菊は高貴な花という印象が強いのはこのせいですね。
高貴な花がなぜ、仏花に用いられるのかご存知ですか?
仏花として菊を用いるのは、菊が長持ちするからです。
日本の気候に適応し、切り花にしても
他の花よりも長持ちするからというのが理由の一つ。
そのほかの理由としては、菊は種類も多様で
同じ菊の花でも色や形が違い、
多くの花を活けているように見えます。
多種多様な菊苗が、
一年中手に入る、というのも一つの理由です。
また、菊は「邪気を払う花」と信じられてきました。
鼻に抜ける清々しい香り、スッと立つ
高貴な佇まいが災いを寄せ付けない
凛とした強さをたたえているように見えます。
これらが菊が仏花として定着した理由です。
菊は、贈り物には向きません。
仏花の印象が強いため
人に贈る花としてはタブーとされるからです。
菊が好きな人に贈る、というならいいかもしれませんが
そうでなければ避けた方が賢明な判断でしょう。
どうしても送りたいというなら、
和菊は避けて洋菊のアレンジメントにしましょう。
マーガレットやダリア、ガーベラなど
菊科の洋菊に和菊を混ぜても可愛いですよね。
菊の花言葉は全然怖くない?!菊全般の花言葉と紫の菊の花言葉はこれ!
花を贈るときに気になるのは花言葉ですよね。
仏花に用いられる菊には
さぞかし恐ろしい花言葉がついているのでは?
と考えがちですが、実はそれは大きな勘違いです。
菊全体の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」
全ての菊が持つ花言葉は、その凛とした
たたずまいにふさわしい気品あふれる言葉たちです。
「高貴」は人柄などに気品がある様子
「高潔」は気高く立派な様子
「高尚」は知性や品性の程度が高い、立派なこと。
皇室の紋章に選ばれていることでも分かる通り、
菊はその凛とした佇まいと華やかな花の様子から
気高く気品に満ちた印象を与えます。
この印象から、花言葉も高貴など
気品に満ちた様子を表す花言葉になったようですね。
英語では「cheerfulness」「You’re wonderful friend」です。
日本語に訳すと「陽気・ご機嫌」、「あなたは素敵な友人」です。
華やかな花弁に
凛としてスッと空に向かって花を咲かせる菊は、
外国の人々には上機嫌に見えるのでしょうね。
紫の菊の花言葉は恋を応援する、恋をかなえる花言葉です。
「恋の勝利」「夢が叶う」「私を信頼してください」
という恋に前向きな花言葉並びます。
告白をするときに、そっと
紫の菊の花を忍ばせても素敵ですね。
また、会社などに飾って商談に望めば、
思うような結果が手に入るかもしれません。
菊の花言葉・他の種類の言葉も怖くない?!白や黄色など他の色の言葉もチェック!
菊はさまざまな色合いの花があります。
白や黄色は仏花として良く用いられますね。
そのほかにも赤い色の菊があります。
白い菊の花言葉は「あなたを慕っています」「真実」「誠実」
白い菊の花言葉は純粋な思いを伝える言葉です。
白は信頼感や清潔感を与える色なので、
そこから「真実」や「誠実」という
花言葉がつけられたのでしょう。
あなたを慕っています。という花言葉は
誠実な気持ちを相手に伝えたいと感じますね。
純粋に慕う気持ちを伝えるように
白い菊を手渡しても素敵です。
ただし、白い菊は葬儀の際に使われることが多いです。
そのため、何も言わずに白い菊を手渡してしまうと
ただの嫌がらせに感じてしまう危険性が!
そうならないために、花言葉をメッセージカードに託す、
直接自分の口で花言葉を教える、などの細かな気配りが大切です、
黄色い菊の花言葉は「破れた恋」
黄色の菊の花言葉少し残念なもので、失恋を表します。
西洋では「軽んじられた恋」という
なかなか切ない花言葉です。
西洋では、ユダがキリストを裏切ったときに
黄色い服をきていたことから
黄色は「裏切りの色」とあまり好まれません。
そのため、このような切ない花言葉がついたのでしょう。
一方で、黄色い菊は「長寿」「幸福」という印象があります。
赤い菊の花言葉は「愛情」「あなたを愛しています」
赤い菊の花には情熱的な花言葉がつけられています。
もともと、赤い花には
情熱的な恋の言葉がつけられることが多く、
菊もその例に漏れません。
直裁的な愛の言葉はしっかりと相手の心に届きます。
気持ちを受け入れてほしいときに
赤い菊を手渡すのも素敵ですね。
そのときには、花言葉を伝えることをお忘れなく!
まとめ
菊は日本人にこよなく愛される花です。
仏花としての印象が強いため、
「花言葉もおどろおどろしいのかしら?」
と思ってしまうのも無理はありません。
しかし、菊は国花にはなってはいませんが、
日本を象徴する花であることは間違いありません。
菊の花自体も、大振りで華やかなのも、
小ぶりで可憐なものなど多種多様ですが、
凛とした佇まいや空を仰いで咲く様子は好ましいです。
「怖い」要素を探すとしたら、
「菊」の名前の由来でしょうか?
晩秋に咲く菊の花は「窮まる」
(終わる・尽きる・限界に行き着く)という言葉が語源です。
しかし、その由来は
「一年の最後に咲く花だから」とあっけないもの。
特に怖い逸話などはありません。
菊の花は花言葉から
花束にして贈り物にしても素敵ですが、
やはり「菊は贈り物にはタブー」という風潮もあります。
渡すときには
「こんな花言葉があって素敵だったから」と一言添えたり、
メッセージカードを添えると気持ちがより伝わりますね。