満月を愛でるお月見。
満月のお月様の中には、どんなものが見えますか?
日本で一番ポピュラーなのは
「餅つきウサギ」ですね。
月でお餅をつくウサギを想像すると
とても可愛らしいですよね。
「ウサギが月にいる」
というのは、日本だけではなく
アジア各地に古くから言い伝えられています。
中国でも、ウサギが月で臼をついています。
ただし、中国のウサギがついているのは
餅ではなく、薬草。
それも不老不死の薬の原料を粉にしているとか。
日本でウサギがついているのが
「餅」だと言われるのは
満月の別名「望月」とかけているからです。
古代インドでは月は「月の印を持つもの」が
月の別名とされています。
ヨーロッパでは、男の姿に見えます。
例えば、悪魔と契約し莫大な富を築いた
魔術師トファルドフスキは悪魔の計略にはめられ、
月に昇ってしまったという伝承があります。
ポーランドでは月の表面に浮かぶのは
魔術師トファルドフスキだとみられています。
また、片膝を立てて
バイオリンをひく聖ゲオルギウスとも。
聖ゲオルギウスは竜退治で有名なキリスト教の聖人です。
聖ゲオルギウスは異教徒の王によって
斬首され、殉教者となりました。
北欧神話では月の神様は
元は人間のマーニという男性です。
そのマーニに連れ去られた
天秤棒を担ぐ2人の子ども、「ビルとヒューキー」が
マーニに付き添う姿が地上から見えると
ヨーロッパで言い伝えられています。
月に見える模様は人それぞれ見えるものが違います。
昨今の子どもは、ウサギではなく、
毒針を振りかざしたさそりに見えるみたいです。
満月を見上げながら、何に見えるのか
話し合うのも楽しいですね。
月にウサギが出るのは月が平らじゃないから?月の表面の様子を学ぼう!
月にウサギが見えるのは、月の表面にある
クレーターが太陽の光を受け、明るい部分、
暗い部分に分かれることにより現れます。
何十億年も前に
月に小さな惑星がぶつかってできた
クレーターが模様に見えているのです。
月の複雑な地形は、惑星の衝突による
クレーターや火山活動によるもので、
月の明るく見える部分は「高地」、
暗く見える部分は「海」と呼ばれます。
暗く見える場所、強い色の玄武岩で覆われた
月の平原は「月の海」と呼ばれ、
それぞれ晴れの海、静かな海や嵐の大洋、
そのほかにも、沼や入江、湖や科学者などの
名前が付けられています。
月の模様がいつも同じように見えるのは、
月がいつでも同じ面を地球に見せているからです。
月の自転周期と地球の周りを回る公転周期が
ほぼ同じだからです。
月の模様には関係ありませんが、
1969年にアポロ11号が月面着陸した場所は
「静かの基地」と呼ばれ、金属板が残されています。
静かの基地の場所は「静かな海」の南西、
月面経度23度26分の位置にあります。
静かの海は餅つきウサギの顔の部分に当たるので、
満月の夜には「このへんかな?」と
見当を付けて見てみてくださいね。
月の模様は見る国によって違う?!いくつかの画像と見比べると面白い!?
月の模様は国によって見え方が変わります。
月の模様の見える角度や傾き方が違うことによって、
見え方が変わるのです。
アジアではウサギに見える月の模様も、
オーストラリアなどの南半球では男性の顔に見えます。
ただし、世界中のどこからみても月の裏側は見えません。
見えるのは、月の表面のみ。
それなのに見え方が違うのは面白いですね。
日本と韓国は餅をついているウサギですが、
中国では、不老不死の薬草を挽いているとか。
中国ではそのほかでも
ヒキガエルの頭と前足に見えると言われ、
ウサギと共にヒキガエルも月に住んでいるとされています。
ワニに見えるのは、南アメリカ、北アメリカのインディアン、
インド南アメリカにはロバにも見えるといます。
アラビアでは吠えるライオンに、
北アメリカや東ヨーロッパでは髪の長い女性に見えます。
インドネシアでは女性が編み物をしている姿に、
ベトナムでは大きな木とその下で休む男性に。
オランダでは、悪行をした男性が
月に幽閉されているように見えるといいます。
見え方によって、それぞれ物語が潜んでいます。
月にウサギが見えるのは今昔物語にある、ウサギの話から。
飢えた老人にその身を焼いて食べさせようとしたウサギを、
老人に身を偽ってた神様がウサギを月へ送って、
その行いを後世に伝えようとした
というお話はあまりにも有名ですね。
同じ話はメキシコの民話にもみられます。
同じ日本でも、アイヌ民族では
「手桶を持って立たされている怠け者」
に見えると言い伝えられています。
見る人の感性や受け継がれてきた価値観や感受性、
その人を形作る土壌によって
月の陰影はさまざまな形に見えるのですね。
まとめ
いろいろなものに見える月の模様。
とても想像力がかき立てられます。
月の模様がどんな風に見えるかみんなで話して、
物語を作ってみるのも楽しそうですね。