あけびかごってご存知ですか?
あけびというのは
蔓性の低木で果物のあけびがなる樹木です。
このあけびの蔓を使って編まれたのが
「あけびかご」です。
あけびかごは民芸品の一つ。
青森県や東北地方で盛んに作られていましたが、
ビニール屋プラスチック製品が出回ると、
その姿も徐々に消して行きました。
たくさんいたあけび製品の作りても時代と共に減少し、
現在では、数少ない職人産の手によって
作られているだけになっています。
天然あけびの蔓で作ったあけびかごは、
素朴で柔らかな風合い、
そして、親から子へも引き継げる丈夫さから
近年、人気が再燃してきています。
人気の秘密は、そのフォルムだけではありません。
使い込むごとに馴染む蔓の深い色合いやなめらかさ、
長い間そばにおくことで生まれる愛着が
あけびかごの人気に一役買っているのです。
青森県のあけびかごの歴史は、弥生時代にまで遡ります。
簡単な編み方で編んだ背負い袋が作られていました。
美しい「産業」としてのあけびかごの歴史は幕末から。
幕末に会津藩の浪士が技術を伝えたあけび蔓細工。
明治時代になると産業として目覚ましい発展を遂げました。
弘前のシンボル、岩木山や
青森県のほぼ中心に位置する八甲田山。
そしてその裾野に広がる深い山。
さらに、岩木山は「あけび山」と呼ばれていたほど、
良質なあけび蔓が取れました。
そのため、明治時代になると
産業として目覚ましい発展を遂げています。
りんご農家の冬の手仕事としてあけびかごや
山葡萄の皮を使った民芸品が盛んに作られました。
以前は生活の風景の一部だった「あけびかご」。
これを機会に、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる
あけびかごに注目してみませんか?
あけびのかご・他の地域のものと青森のものとに違いがある?魅力と特徴はこれ!
青森県産のあけびかごには、
岩木山で取れた良質なあけび蔓が使われてます。
弘前のあけび蔓は、長く、
色が揃っているものが多く編みやすいのが特徴。
1人の職人産の手によって、
材料の準備から制作までを行います。
あけびかご作りで最も大切なものは
「壊れないように作る」ことなんだそうです。
編み方にも種類があります。
定番の「ざる編み」は強度が強いのが特徴。
透かし編みとも呼ばれるこだし編み、
隙間なく縦横交互に編む網代編み‥。
そのほかにも編み方は30種類を超えます。
どれも手間をかけた美しく、強度に富んだ編み方です。
弘前のあけびかごの特徴は「丈夫さ」と「繊細さ」。
いく通りもの編み方でしっかりとした作品が作られます。
弘前では、持ち手が可動するのがスタンダードです。
あけび蔓しか使っていないと思えないほど、
持ち手もスムーズにしなやかに動きます。
可動式の持ち手は、
特に緻密な作業が必要で作るのも一苦労です。
その細やかな作り方が青森産のあけびかごの特徴です。
良いあけびかごの見分ける方法は編み目。
蔓がきちんと揃えられているか。
隙間なくしっかり編まれているか。
編み目にねじれがないか。
持った時に引っ掛かりがないかも確認してみてくださいね。
あけびかごは、作り手の個性を大きく反映します。
おなじ型を作っても、作り手によって
全く印象が変わるかごができます。
あけびかごの最大の魅力は「育てる喜び」。
長く使うことで生まれる風合いやツヤは
「味」となり、世界に一つだけ、
自分だけのあけびかごが生まれます。
あけびかごは使うごとに艶が出るので、
手に入れたらたくさん使ってください。
いろいろなところにあけびかごと出かければ、
もっともっと愛着が湧きますよ。
あけびのかごを見に行きたい!行けない!でも大丈夫?青森産のかごを通販で入手!
青森産のあけびかごが欲しい!
でも青森まで実店舗を訪れるのは難しいですよね。
あけかごはインターネットショップでも
購入することができます。
オススメのインターネットショップはこちら
みんげい おくむら
青森県弘前市の山、岩木山は美しいシルエットから
「津軽富士」と呼ばれ、
青森県民に愛されてきた「信仰の山」です。
その岩木山の周辺で取れる
あけびのつたを使ったあけびかごを扱うのが
「みんげい おくむら」です。
ブラウンポケット
ブラウンポッケはあけびかご直売店です。
青森県弘前市に実店舗を構える
「手作り工房 あけびの里」を拠点としたネットショップで、
青森の職人が手作りした、
安定したクオリティの商品を提供しています。
もし、青森を訪れることがあるなら、
ぜひ「手作り工房 あけびの里」へも足を運んでくださいね。
宮本工芸直販 こだわりSHOP優
1949年創業の宮本工芸の商品を取り扱うのが
「こだわりSHOP優」です。
宮本工芸の特徴は、「巻手」の緻密さ。
繊細な手わざで編むかごは
「青森産あけびかご」の特徴を色濃く反映しています。
まとめ
かつては冬の手仕事だった青森のあけびかご作り。
現在では作り手も減少してきて、あけびかごも
お財布と相談する必要がある商品になってしまいましたね。
しかし、値段分以上、あけびかごは使えます。
あけびかごはその風合いも可愛らしく
普段使いにバックにも使えるし、
インテリアとしても
素朴な可愛さを演出してくれますよね。
しかも丈夫で、壊れません。
なんせ、「壊れないものを作る」
という信条の元に作られたものですから。
壊れたとしても修理ができます。
途中で蔦が折れたり切れたりしても、
そこからほつれる、ということもありません。
長く、自分だけではなく
自分の子供も使えるほど長く愛用できるのが、
青森県産のあけびかごの特徴です。
お手入れも簡単です。
気をつけるべきは湿度。
これは天然素材を使っているせいです。
しまう場合には、かごが呼吸できるように
紙か布の袋に入れ、通気の良いところに保存します。
ビニール袋は、かごがカビてしまうので絶対NGです。
汚れたら、たわしで洗います。
洗った後は日陰でよく乾かしましょう。
日に焼けてしまうので、
日当たりの良い場所に干すのはやめましょう。
あけびかごは、作り手の個性が出る作品です。
天然素材を使い一つ一つ手作りしているため、
同じものはありません。
ぜひ、じっくりと、自分の気持ちに
「グッ」ときたあけびかごを選んでください。
使うごとに風合いが変わるあけびかごを育てて見ませんか?
オール天然素材で作られたあけびかごを代表する
「民芸」は廃れさせるには惜しい技術です。
これらの民芸を後世に伝えるには
「使うこと」が一番大切なことです。
あけびかごはその風合いも可愛らしく
普段使いにバックにも使えるし、
インテリアとしても
素朴な可愛さを演出してくれますよね。
自然な気持ちで「可愛い!」「欲しい」と思ったら、
ぜひあけびかごを手にとってください。