渋柿は焼酎で渋抜きすれば美味しくなる?渋抜きの方法を詳しく解説!

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秋の田舎の風景で、軒にすだれのように

柿を干している風景を見たことはありませんか?

実は、あれは渋柿の渋を抜いている風景なのです。

 

現在、店頭に並んでいる柿はほとんどが甘柿ですね。

しかし、本来、柿は全てが渋柿でした。

 

甘柿は、柿の突然変異として誕生し、

偶然生まれた甘柿を品種改良して現在のような

甘い柿が店頭に並ぶようになったんですよ。

 

山や庭に生えている柿はほとんどが渋柿で、

渋柿を食べられるようにするために、

軒先に吊るしていたのです。

 

柿の渋みの原因はタンニンです。

タンニンは口に入れると強力な渋みを感じます。

 

タンニンは水に溶ける性質があり、

渋みは唾液でタンニンが溶け、

舌が収れん作用を起こし組織や血管を縮めます。

これが渋みとして感じる原因です。

 

タンニンはポリフェノールの一種で

抗酸化力を持つことから、

生活習慣病予防にも効果があります。

 

また、毛穴を引き締める作用があるため

化粧品にもよく使われていますね。

 

干し柿は渋柿を干すことで、

柿の水分が飛び、タンニンが不溶化します。

不溶化されるので、唾液で溶けことなく、

柿の甘味を感じられるようになります。

 

他にも、渋柿のタンニンを抜く方法はあります。

 

柿の生産農家さんでは、

木についたままの柿に

アルコールを入れた袋をかけて、

柿の甘味を引き出します。

 

収穫した柿を集めて卸す農協では、

炭酸ガスの充満した倉庫に入れて保管し、

柿の甘味を引き出す方法をとってから

出荷しているところもあります。

 

渋柿を焼酎で渋抜き!アルコール度数は何度必要?!準備から方法まで詳しく解説!

 

渋柿は、吊さなくても

お家で渋抜きは簡単にできます。

焼酎をつける方法は有名ですね。

 

柿の渋抜きに必要なのは、

アルコール度38%以上の焼酎です。

35%あれば、日数をかけれっば渋みは抜けますが、

アルコール度数が高い方がより確実です。

 

焼酎渋抜きに必要なもの

 

・焼酎(アルコール度数35%以上のもの)

ホワイトリカーがおすすめです!

・ビニール袋か箱

 

渋抜きの方法

 

柿の下手に焼酎をつけます。時間は一瞬で大丈夫!
チョン!と下手につけるくらいで準備OK。
へたにつけた焼酎が、実についたらきちんと拭き取ってくださいね。
柿の大きさ、アルコール度や気温にもよりますが、
袋に入れて1週間から10日放置です。
できるだけ密封して、日の当たらない場所に置いておきましょう。
渋が抜けたかどうかは見た目ではわかりません。
触ってみて柔らかくなっていたら、まずは一個食べてみてください。
もしかしたら、渋いかもしれませんが、食べてみなくてはわからないので、
気合いを入れて食べてみてくださいね。

 

渋抜きの注意点

アルコール度の高いものを使う。

アルコール度が高いと渋が抜けやすいです。

ただし、アルコール度が高くても日本酒やワインは、

柿がカビてしまうので使わないでくださいね。

また、ウォッカやウイスキーも風味が柿に移ってしまいます。

おすすめはホワイトリカーです。

 

柿の実についたアルコールは拭き取る。

ついた場所から傷み始めます。

 

柿に水分がつかないようにする。

密封した袋や箱の中で結露が発生するので、

タオルや新聞紙を敷いて、

柿に水分がつかないようにする。

傷みが早くなるので。

 

冷暗所に置く

気温が高いとすぐに柿が溶けるので、

冷暗所に置いて様子をみましょう。

 

 

焼酎で渋抜きしても、

焼酎は渋抜きしている間に気化してしまうので、

子どもや妊婦さんも食べて大丈夫ですよ!

 

渋柿が焼酎で渋抜きできるのはなぜ?子どもに教えたい渋抜きの雑学とは?

 

渋柿の渋はタンニンです。

タンニンはポリフェノールの一種で

アセトアルデヒドと結合することにより、

可溶から不溶化されます。可溶とは水で溶けること。

 

水で溶けるということは、

口に含んだ時に唾液で溶けて、それを人は

「渋み」として認識します。

 

しかし、アルコールをつけた柿は、

アルコールが酸化してできた

アセトアルデヒドとタンニンが結びつき、

タンニンを不溶化させることで、

タンニンが唾液で溶けずに、柿本来の甘さを

素直に感じることができるようになるのです。

 

ちなみに、アルコールが酸化してできる

アセトアルデヒドは二日酔いの原因にもなります。

 

干し柿も同じメカニズムです。

こちらは、柿を呼吸させないようにして、

アセトアルデヒドを生み出します。

 

炭酸を使った方法、

ドライアイスを使った方法、

つるし柿と同じ原理です。

 

昔は、お風呂の残り湯に一晩つけておく、

といった方法もあったようです。

こちらも、窒息状態にして、

アセトアルデヒドと結びつける方法ですが、

傷みやすい上に不衛生に感じますね。

 

まとめ

 

渋みの原因タンニンは

体に良いポリフェノールの一種です。

渋が抜けてもタンニンは柿の中に残っています。

 

タンニンを抜く方法である

焼酎をつける方法ですが、日持ちがしません。

 

しかも、気温によっては、すぐに実が

トロットロに溶けてしまうので注意してください。

 

渋柿に焼酎につける脱渋の方法は

庄内柿を開発した酒井調良さんが技術を確立しました。

柿に対する情熱を感じさせますね。

 

柿の実についている黒い斑点がタンニンです。

甘柿はこの「ごま」が多ければ多いほど甘く感じるんだとか。

 

昔は柿が色づくと医者が青くなると言われた柿。

健康に良いものと昔から言われていました。

秋の風物詩、十五夜の月見にも欠かせない

秋のくだもの、柿を美味しくいただきましょう。

 

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