苦手でも子どもの声には応えたい!どんぐりに住む虫の育て方を解説!

雑学・豆知識
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子どもが拾ってくる木の実で、一番多いのは

どんぐりです。

可愛らしい帽子を被ったどんぐりは

カシワやカシの木、ミズナラのもの。

 

他にも、

丸くコロンとした形のどんぐりはクヌギたったり、

帽子がないものはアベマキだったりと、

実はとても種類が多いのですよ。

クリも「どんぐり 」に分類されるとか。

 

とってきたどんぐりは煮沸消毒して保管しないと、

どんぐりの中から、虫さんがこんにちわします。

 

机の中に放置していて、しばらくしてから開けると

「ぎゃー!!」というのは、誰もが

一度は経験があるのではないでしょうか?

 

どんぐりの中に潜んでいるのは、

ほとんどが「ゾウムシ」の幼虫です。

 

どんぐりは虫だけではなく、

さまざまな動物たちも餌としています。

 

どんぐりの栄養価は高く、

そんなどんぐりを食べて育つ虫は、

出てくると丸々と育って、ころんとしていて、

ちょっと可愛く見えてしまうのもご愛敬ですね。

 

丸い芋虫ではなく、細長い芋虫は蛾の幼虫。

どんぐりに幼虫を産みつける蛾の数は多いです。

 

ゾウムシの幼虫との違いは「フン」。

ゾウムシの幼虫はフンをどんぐりの外には出しませんが、

蛾の幼虫はフンをどんぐりの外に排出します。

 

見分け方の目安になりますね。

 

どんぐり に住む虫はどう育てる?!初心者でも取り組める育て方を解説!

 

どんぐりに住む虫は、

総称して「どんぐり虫」と呼ばれますが、

一種類だけではありません。

ゾウムシの幼虫や蛾の幼虫などが

どんぐりに卵を生みつけます。

 

ゾウムシは甲虫の一種で口の部分が長いことから

「象」に見立てられてこの名前がつけられています。

 

どんぐり虫として有名なのは

「ハイイロチョッキリ」ですね。

ハイイロチョッキリは「オトシブミ科」の昆虫です。

オトシブミの名前の由来が素敵なのでご紹介しますね。

 

その昔、口に出しては言いづらいことを

人は、紙に書いて巻物にし、道端に落としました。

ラブレターも、意中の人の前に落として

拾って中身を改めて‥という奥ゆかしさです。

 

オトシブミは産卵した葉を鋸のような口で切り落とします。

落ちた葉っぱは丸まって、まるで巻物のよう。

 

切り落とした葉が「落とした文」にそっくりだったため

「オトシブミ」という和名がついたと言われています。

 

なんだかロマンチックです。

 

ハイイロチョッキリは、灰色で、

卵を産みつけたどんぐりの枝を「ちょっきり」

と落とすから、「ハイイロチョッキリ」。

子どもが名付けたような

いっそ潔い可愛らしい名前ですね。

 

象虫は、ほぼ害がなく子どもが触っても

全く問題がありません。そのため、

どんぐりから出てきた虫を育ててみても大丈夫!

 

どんぐりから出てきた虫は、土の中で育てます。

 

育てるのに必要なものは、

飼育するケースと腐葉土、そして幼虫です。

 

腐葉土を用意します。

ケースはカブトムシを育てるケースがあれば良いでしょう。

衣装ケースやコンテナなどでもいいですし、

育てるのが一匹程度なら、瓶やペットボトルでもいいですよ。

 

どんぐりから出てきた虫を土の上に移動させます。

あらかじめ、虫の入ったどんぐりを

土の上に置いておいてもいいですね。

どんぐりから出てきた幼虫は、すぐに土の中に潜っていきます。

 

直射日光は高温になったり、乾燥してしまうので要注意です。

水のあげすぎにも注意です。

直射日光や雨の当たらない、風通しの良いところに

静かに置いておきましょう。

 

越冬させる必要があるので、気長に待ちましょうね。

 

羽化するのは種類によっても変わりますが、

大体一年ほどかかります。

 

クワガタムシやカブトムシの飼育方法を

参考にすると良いでしょう。

 

蛾の幼虫は、すぐに羽化します。

地表近くの土の中で眉を作り、サナギになります。

ハマキガ科のクロサンカクモンヒメハマキ

という蛾が多いようです。毒などはありません。

 

どんぐり を食べるのは虫だけじゃない?子どもに話したいどんぐりを食べる動物たち

 

どんぐりは、貴重なタンパク源です。

栄養価も高く、炭水化物が68%、脂肪が18%、

タンパク質まで取れるどんぐりは、

人間はもとより動物たちの食物にもなります。

 

その昔、人間もどんぐりを食料としていました。

縄文クッキーというのをご存知ですか?

 

縄文時代の食事の再現メニューの一つで、

どんぐりを挽いたものに

ひき肉や卵を混ぜ合わせて調味料を加え、

クッキー状にしたものです。

 

小学校の総合学習などで

作った人も多いのではないでしょうか?

 

北海道に住むアイヌの人々は、

どんぐりの渋みを抜き

乾燥させ、保存食としていました。

 

食べるときには水に戻し、

魚と煮たり、豆と混ぜて食べていたようです。

 

どんぐりはリスやノネズミ、カケスなどが食べます。

小動物だけではなく、

キツネ、鹿、狸もその恩恵に与っています。

 

大きな動物ではクマが食べることは有名ですね。

どんぐり が不作の年は、

クマの人里での目撃情報が多くなります。

 

「クマが人里に降りないように、どんぐりを撒こう!」

という作戦があったようですが、これは大失敗に終わりました。

クマの食べるどんぐりは成熟していない青い実です。

落ちているどんぐりは食べません。

 

どんぐりを撒くことでクマ以外の野生動物が

集落近くまで降りてきてしまうという自体を誘発し、

生態系や自然環境にも

大きな悪影響を与えたことがわかっています。

 

人間の安易な考えは「休みに似たり」どころか、

悪いことしか招かないようです。

自然は自然のままが一番なのでしょうね。

 

まとめ

 

どんぐりに住む幼虫は、ゾウムシという虫の幼虫でした。

ゾウムシは珍しいものではなく、

土遊びをしているとよく見かける身近な虫です。

ゾウムシを探して、観察してみても面白いですね。

 

ゾウムシの幼虫はコロンとして可愛いですが、

触りすぎると弱ってしまうので、

見るだけにしてあげましょう。

ゾウムシの成体も同様です。

 

ゾウムシはたくさんの種類がいます。

色や形もさまざまです。

メタルな色のゾウムシはとても綺麗ですし、

ゴツゴツとした表皮がかっこいい種類もいます。

 

ぜひ、たくさんのゾウムシを見つけて、

図鑑で調べてみてください。面白いですよ!

 

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