縁結びの町、出雲は、
出雲大社が鎮座する島根県出雲市です。
出雲の歴史は古く日本最古の歴史書
「古事記」や「日本書紀」にもその名が記されています。
出雲の語源はよくわかっていません。
厳藻・厳雲は、
厳(いつ・神聖な。霊威・神威という意味)という説。
五つの土地のことをさして出雲としたという説。
アイヌ語説、
夕方に立つという説などがありますが、
どれも決定打にかけるため
「これが語源だ!」というものがありません。
出雲の国は国譲りの神話でも有名です。
国譲りの交換条件として建立された出雲大社は、
今でも参拝客が後を立ちません。
現在では縁結びのパワースポットとしても有名ですね。
縁結びは、恋愛に限ったことではなく、
仕事運や金運ともご縁を繋いでくれると評判です。
出雲といえば蕎麦が有名です。
なぜ、蕎麦が有名になったかご存知ですか?
出雲はもともと、寒くて痩せた土地です。
その気候や土地に合ったのが蕎麦の栽培でした。
江戸時代に信濃の大名が国替えで出雲に来たときに、
信濃のそば職人を引き連れて来たことで蕎麦食が定着。
さらに7代目松江藩主が蕎麦好きで、
蕎麦へのこだわりがあり、
蕎麦の地位向上が図られました。
現在でも「出雲蕎麦」は
出雲の郷土料理として親しまれています。
出雲の蕎麦は、
蕎麦の実を皮ごと挽くので蕎麦が濃く黒く、
さらに蕎麦の香りが強く香ります。
出雲蕎麦は、「喉越し」ではなく、
香りを楽しむものです。
一般的な蕎麦は、
かけそば、盛り蕎麦が定番ですが、
出雲食べ方は「割子蕎麦」と「釜茹で蕎麦」。
出雲独特な蕎麦の食べ方をお楽しみください。
1度はここで食べておきたい?!出雲そばの名店・おすすめの6店をご紹介!
羽根屋 本店
創業は江戸時代末期。
大正天皇をはじめとした
皇族の方々に供されたお蕎麦で、
「献上そば」と呼ばれています。
昔ながらの製法に、新しい技術も取り入れて
常に進化を続ける羽根屋の蕎麦。
地元の素材を生かした地産地消の蕎麦作りをしています。
蕎麦処 かねや
出雲大社から数分の立地にあるお店です。
切り方の太さが違うことで
手打ち、ということがわかります。
地元の方からも愛され、
出雲神社のの祭事のときには、
蕎麦を献上するという名店。
荒木屋
創業天明年間、江戸後期から200年以上も続く
出雲蕎麦最古のお蕎麦屋さんです。
荒木屋では、自家に井戸をもち、
その井戸水を使ったウルメイワシのお出汁が
さっぱりと上品なお味を作っています。
縁結びセットというメニューがあり、
割子蕎麦に「ぜんざい」と
「ご縁袋」「おみくじ」がついています。
そば処 田中屋
出雲大社正門前、神門通りと
神迎えの道の間にあるお蕎麦屋さん。
地元大社町の醤油と本みりんを使い、
島根の伝統的調味料、地伝酒を合わせて
かえしに使うだしはコクがあり、
風味豊かな蕎麦の相性は抜群です。
中国山地蕎麦工房ふなつ
松江市にあるこのお蕎麦屋さんは、
奥出雲の専属農家の玄蕎麦を収穫したまま保存、
食べる分だけ、その日に製粉する
そばへのこだわりが強いお店です。
太いめんは短めですが、一つ一つに
そばの粒々感があるという不思議な食感。
蕎麦の香りが強い蕎麦が楽しめます。
出雲そばきがる
挽き立て、打ち立て、茹でたてのお蕎麦を
提供してくれる、松江市内の「きがる」は
地元松江産の玄丹そばを中心に取り扱っています。
松江市石橋町は古い町並みが残っている地域で、
きがるも趣のある店構えです。
店の外から石臼きで蕎麦を挽く様子がみられます。
2杯目・3杯目は穴場で食べたい?出雲そば・おすすめの穴場店4店をご紹介!
有名店で出雲蕎麦をいただいたなら、
次はあまり人に知られていないお店で
ゆっくりとお蕎麦を楽しみませんか?
東風(こち)
10人で満席になるほどこじんまりとしたお店です。
蕎麦の品種や配合にもこだわる、風味高い蕎麦が味わえます。
出雲そばきずき
出雲大社近くの「きずき」は、
旧家の佇まいを再現した趣のある店構えです。
Uターンして故郷に帰り、
夢を実現させた店主が作る蕎麦が美味しく、
地元の方一押しのお蕎麦屋さんです。
風月庵
むきぐるみの特徴が
顕著に現れた蕎麦が特徴の蕎麦屋さん。
地元に愛されるお店は低価格で、
地元の人でいつも賑わっています。
昔ながらのラーメンもおすすめ!
山県蕎麦
奥出雲にあるお蕎麦屋さん。
車がないといけませんが、いく価値はあります。
奥出雲の湧き水を使い、奥出雲産の蕎麦を打つ。
地元のものを使った蕎麦はコシがあり、香りが強いです。
ヤマタノオロチ退治が行われたという伝承が残る
鳥髪の地にあるお蕎麦屋さんです。
蕎麦かりんとうもおいしいですよ!
まとめ
出雲の蕎麦は、割子蕎麦と釜茹が有名です。
割子蕎麦は、もともとは「そば弁当」が原型です。
江戸時代の松江の趣味人たちが
蕎麦を野外で食べるために工夫したもので、
三段が標準仕様。
出汁を使いまわして
上から順番に食べていくスタイルです。
三段で足りなければ、段数を増すこともできます。
釜揚げ蕎麦は、水で締めないで
供されるまさに茹でたての蕎麦。
茹で汁の蕎麦湯にだし汁を自分でかけていただきます。
釜揚げ蕎麦は、八百万の神々出雲にいる神無月の「神在祭」、
出雲を去る儀式「神等去出祭」の時に食べる伝統的な蕎麦で、
出雲の人々は「お忌み蕎麦」「神去出蕎麦」と呼ぶこともあります。
このように出雲大社ともの関係の深い出雲そば。
出雲大社を訪れた際には、
ぜひ出雲蕎麦の香り高い風味をご賞味ください。