あなたの身内に不幸があったとき、
あなたは悲しみに暮れながらも、慌ただしく
お通夜、お葬式を済ませなければなりません。
その他、多くの手続きや香典返しなど、
やらなければいけないことがたくさんあります。
初めて喪主の立場になった方は、
喪主としてのマナーについて、
ここで初めて知ることも多いでしょう。
今回は、香典返しについての知識をお伝えしていきますね。
香典返しは、お通夜、お葬式で参列者からいただいた
ご仏前、ご香典に対するお返しのこと。
昔は、香典返しは、
忌明け(四十九日明け)に渡すのが一般的でした。
しかし、最近では
なかなか顔を合わすことが減ってきたこともあり、
葬儀の当日に、香典返しを渡すことが多くなっています。
つまり、昔のように四十九日明けまでに、
香典返しを準備するのではなく、葬儀当日には
参列者全員にお渡しできるように準備が必要なのです。
香典返しには、
弔事用の掛け紙(のし紙)を使います。
水引は黒白の結び切り(関西方面では黄白の結び切り)を
使用します。
結び切りになっているわけは、
簡単にほどけない、つまり、度々起こらないように、
という意味が込められています。
のし紙の書き方ですが、
水引の上側には、
「志」「忌明志」「満中陰志」「粗供養」、
水引の下側には、喪主の遺族の
- 苗字のみ、
- ○○家、
- 喪主の氏名
の、どれかを書きます。
「志」「忌明志」「満中陰志」「粗供養」
の使い分けを覚えておきましょう。
「志」
最も一般的。全国的に使われており、
宗教を問わないので、一番間違いありません。
香典返しの時に使います。
「忌明志」
四十九日が明けてから、お返しするときに使います。
「満中陰志」
主に関西方面で使われていて、これも
四十九日が明けてからお返しするときに使います。
「粗供養」
法要の時の引き出物で使います。
のし紙は、内のし、外のしとありますが、
直接会ってお渡しできる場合は外のし、
配送になる場合は、控えめにという意味を込めて
内のしにすることが多いようです。
香典返しの品物は、いただいた香典の
3分の1程度のものを返すことが多いです。
しかし、
今では葬儀当日に香典返しを渡すことが多いため、
参列者全員に、一律2,000円~3,000円くらのものを
準備するのが良いでしょう。
品物としては、
後に残らないものを選ぶのが一般的。
例えば、石けんや洗剤、お茶や海苔など。
好みもあるので、カタログギフトにする方も
増えているようですよ。
最後に、香典返しを辞退された場合についてです。
参列者の中には、遺族への気遣いで
香典返しを辞退される方もいるでしょう。
その場合、どうしたら良いのか悩むかもしれませんが、
お気持ちだけいただいて、香典返ししても、
失礼に当たることはありません。
でも、せっかくお気遣いいただいたわけですから、
香典返しはせず、お礼状や電話で
感謝の気持ちを伝えるようにしてもいいでしょう。
ただ、あまりに高額な香典をいただいた場合は、
別の機会に何か品物を送り、
お礼の気持ちを伝えるのがいいかと思われます。
香典返しの「のし」はこう書こう!名前はこの人の名前を使うのが正解!
先にも説明しましたが、一般的に、のしの名前は
- 喪主の苗字か、
- ○○家のように「家」をつけるか、
- 喪主のフルネームとなります。
大体はそれで住むわけですが、
その他のパターンとしては、
- 「親族一同」と書き、
その左側に喪家や喪主の名前を書き添えておく。
- 旧姓を書く。
あるいは新姓を書いて、左側に括弧書きで
旧姓を書いておく。
これは、喪主を務めるのが、
結婚して姓が変わった娘の場合、新姓では
わからない方がたくさんいらっしゃるからです。
香典返しの「のし」は薄墨で書くべき?!書き方のマナーを徹底解説します!
香典返しの「のし」の書き方は、
おわかりいただけたでしょうか?
いざ、書こうと思ったときに、
次に悩むのが墨ですよね。
薄墨でないといけないような気が・・・。
だって、確か香典袋は、薄墨で書いたはず・・・。
そう、その通りです。
香典には薄墨を使用するのが正解です。
その意味は、
お通夜やお葬式は突然の訃報であるため、
墨をすっている時間がなかったから
薄墨になったという意味。
そして、墨をすりながら、硯に涙が落ちて
薄墨になったという意味があるからなのです。
香典返しとは、
元々四十九日明けてから送るものだったので、
墨をする時間はたっぷりあるという意味から、
濃い墨で良いのです。
しかし、仏事には薄墨という認識の方も多くいるため、
薄墨でも問題ないでしょう。
まとめ
身内の不幸があった場合、
やらなければいけない様々なことが、
一気に自分の身に降りかかってきます。
それも、不慣れなことやわからないことばかり。
しかしそれは、亡くなった故人が
今まで多くの人と、この社会と関わってきたという証。
香典返しも、亡くなった故人と
親しくお付き合いをされてきた方たちに、
お返しするもの。
失礼のないように、マナーをしっかり勉強して、
後悔のないようにしたいですね。