初冬の俳句がうまく詠めないなら!有名な句にコツを学んじゃおう!?

雑学・豆知識
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5、7、5の中に、

季節感やみた情景を閉じ込める俳句は

日本を代表する定型詩です。

 

世界最短の定型詩と呼ばれ、

世界中にその愛好家を増やしています。

 

室町時代に庶民の間で

流行した遊戯性の高かった俳句が、

松尾芭蕉の誕生により、

「芸術」としてその価値を高め、

正岡子規により「文芸」と昇華されました。

 

俳句の特徴は「5、7、5のリズム」

「季節を表す季語」が代表的です。

 

そのほかにも

「切があるか」「余韻があるか」なども

特徴としてあげられますが、

素人にはちょっと難しいですね。

 

季語のないものは川柳と呼ばれます。

川柳と俳句の違いは、

「季語がない」ほかに

「切」がなく「余韻」もないことです。

 

しかし、「切れ」「余韻」と言われても、

素人にはよくわからないので、

「季語ない」=川柳と考えてもいいかもしれませんね。

 

先人の句に学べばひらめく?!初冬の俳句・有名な作品をチェックしよう!

 

初冬の俳句と言えば

真っ先に思い浮かべるのは、松尾芭蕉の

「いざ子ども はしりありかん玉霰」でしょうか。

 

季語は玉霰ですね。

玉霰は霰のこと。

雪の結晶に雪の水滴が付着して

白い粒になったものですね。

 

パラパラと落ちてくる白い粒をみて、

「さあ、外に出て走り回ろう」

と話している様子が目に浮かぶ元気な句です。

 

冬というと、寒々しい句を読みがちですが、

芭蕉は冬の季語を使って活発な情景を描いています。

 

もう一つ、有名な作品といえば、

与謝野蕪村の

「斧入れて 香におどろくや 冬木立」。

 

冬に、気に斧を入れると

切り口から新鮮な木の香りが立ち上がって

驚いた、という句です。

 

冬の生命が死に絶えてしまったような

景色のなかに、香りたつ生命力に

とてもおどろく様子がみて取れますね。

 

季語は「冬木立」。

冬の銀色に輝く雪の中に

黒い幹が林立する様子が目に浮かぶ季語です。

 

小林一茶の句はとても素直です。

「むまさうな 雪が ふうはり ふはりかな」

 

美味しそうな雪はふわりふわりと落ちてくる、

という句はとても素直で素敵な句ですね。

ふうわりふわりという描写が

なんとも「むまさう(うまそう)」です・

 

季語は、そのまま「雪」です。

 

同じく雪を使った俳句は

「降る雪や 明治は遠く なりにけり」

も有名ですね。

 

これは中村草田男が詠んだ句です。

ふりしきる雪の中で、

明治に思いをはせていたが

ふっと現実に戻り、明治が遠くなった

と強く思った、という句です。

 

中村草田男は昭和初期に活躍した俳人で、

生活や人間性に根ざした俳句を模索した人です。

 

草田男の命日にあたる「草田男忌」は

夏の季語として使われています。

 

初冬の俳句、使いこなせていない季語はない?使ってみたい季語もチェックしよう!

 

冬を表す季語は

少し寒々しいものが思い浮かびますね。

特に自然を表すものは

少し、暗く寂しい感じがします。

 

一方で、暖をとるための道具なども

冬の季語として活躍しますね。

「炬燵」や「炭」「湯気立」「綿入れ」など、

生活感が出る季語はなんだか暖かな感じがします。

 

食べ物では

成吉思汗鍋や大根なども冬の季語です。

 

湯豆腐や貝焼き、牡蠣飯など

暖かく美味しそうな冬の季語は

ぜひ使ってみたいものです。

 

天文では冬の星座である「オリオン」も

季語として使用できます。

北斗七星も「冬北斗」と美しい響きになります。

 

冬のはじめにさく山茶花や

11月の七五三や酉の市も初冬の季語です。

 

24節気でいう立冬から

大雪の前日までを初冬いますね。

11月がこの時期にあたります。

 

11月は秋の終わりで冬の始まりという月です。

霜月、という和名からもよく分かりますね。

 

「熊穴に入る」、

小春日和にさく「帰り花」など

秋の終わりを表すような情景も

初冬の季語になります。

 

・熊穴に 入りたる山気 顔洗ふ (加藤 彦次郎)

・凩(こがらし)に 匂ひやつけし 帰り花(芭蕉)

 

など、同じ冬でも初冬を表す季語は

少し茶目っけがあるような

明るい語感のものが多いです。

 

秋の終わりの、冬に近づいているけれど、

まだ穏やかで優しい日差しを感じさせます。

 

しかし、同じ初冬でも

「蟷螂枯る」というように

「死」に向かっているような印象の季語もあります。

 

「冬」はやはり、

命が終わる時、という印象が強いですね。

俳句もそのようなものが多い気がしますね。

 

まとめ

 

俳句は、季語を用いた5、7、5の「詩」です。

まずは、上手い下手を気にせずに自由に詠んでみましょう。

 

素直に見たままを詠んでもいいですし、

気持ちを表してもいいです。

難しく考えるのはプロに任せて、

思うまま詠んでみましょう。

 

使ってみたい季語は、

積極的に使うことで使い方を覚えられます。

 

ただし、使う前に

その季節に適している季語なのか、

自分が読みたい句にふさわしい言葉なのかの

精査は必要ですね。

 

思い込みで間違っているものもあります。

 

間違えやすいのは「小春日和」

これは春の季語ではなく、

晩秋から初冬にかけての季語です。

 

秋の終わりや冬の始まりにある、

暖かく穏やかな晴天のことなので、

うっかり春に使わないように気をつけましょうね。

 

同じく時雨も梅雨の時期の季語ではなく、

冬の季語です。

秋の終わりや冬の初めに降りやすい

通り雨のことを言います。

 

同じ時雨でも蝉時雨は、

セミの泣き声が時雨のように聞こえる、

という意味の夏の季語です。

 

季節を表す季語は、

綺麗なものや情景が思い浮かぶような

美しいものなどたくさんあります。

 

使ってみたい季語があったら、

積極的に使ってみましょう。

 

まずは、俳句を楽しんで読むことから始めましょう!

 

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