陽光を浴びてキラキラと輝く銀色の雪。
空気が澄んで、空は透き通る。
雪山は、登山を嗜む人には
憧れが強い場所ですね。
しかし、雪山を甘く見てはいけません。
雪山には、夏の山と違った危険があります。
天候や寒さの違いは当たり前のこと。
凍傷や低体温の対策は
誰もがきちんとするでしょう。
天候や装備の備えも
命に直結するため怠ることはありません。
雪の山では、夏とは違い怖さがまだあります。
雪山で怖いのは「目に異常をきたすこと」。
冬は一般的には紫外線は弱まりますが、
雪による反射のため、
紫外線に晒される量は2倍になり、
高い山ではさらにそれが顕著になります。
紫外線の雪の反射率は80%。
さらにに標高が1,000M上昇するごとに
UVBが10〜12%増加します。
なんの装備も無しに雪山に飛び込むと、
目が紫外線に長時間さらされて
角膜に傷がついてしまう「雪目」に
なってしまいます。
雪目は簡単にいうと「目の日焼け」。
- 目が充血する。
- ゴロゴロする。
- 涙が出る。
- 目が痛くて、とても眩しく感じられる。
という症状が引き起こされ、痛くて
目を開けていられないという状況に陥ってしまいます。
下山してからならともかく、
山の中でこんな症状に見舞われたら
命の危険にもつながってしまいますね。
しかし、雪目はサングラスで防ぐことができます。
雪目を防ぐサングラスの選び方などをご紹介します。
初めての雪山登山の前にチェック!大切な目を守るサングラスの選び方・コツ5選
雪目を防ぐ以外でも、
雪山でサングラスは活躍します。
吹雪になった時に視界を確保するためや
地面の凹凸を察知するためにも
サングラスは必要なのです。
サングラスを選ぶコツ5選
偏光レンズを使ったものを
目にダメージを与えるのは紫外線です。
偏光レンズを使ったものを選べば
紫外線をしっかりカットしてくれるばかりか、
視界の確保もしっかり行えます。
紫外線カット率99%
以上のものがおすすめですよ!
顔にフィットしているものを選ぶ
顔にフィットしていないサングラスは、
穴が開いたバケツのよう。
浮いた隙間から紫外線が入って、
せっかく紫外線をカットしても、
隙間から紫外線が入り込んでしまいます。
また、吹雪の時も同様です。
サングラスが、日本人の顔によくフィットする
「アジアンフィット」を選び、試着できるなら、
顔を動かしても左右にずれないものを選びましょう。
サングラスフレームの
フィット感は実はとても重要です。
登山用品店や眼鏡店で、顔に合った
ものを選ぶことをおすすめします。
レンズのカラー
レンズのカラーで見え方が変わります。
雪山でおすすめなレンズカラーは4つ。
トゥルービュー
裸眼に最も近いレンズ。
自然のままの色合いで、雑光だけをカットしてくれます。
トゥルービューは、目の疲れだけではなく、
体の疲れも軽減するということが学会で発表予定です。
トゥルービュースポーツ
裸眼に近い見え方のトゥルービューに
物の輪郭を強調するコントラスト性能を
付加したのがトゥルービュースポーツです。
コントラストがはっきりする分、
雪山の小さな凹凸も見逃しません。
両方とも光の反射によるギラツキを防ぎ、
紫外線をカットしてくれます。
また、色付きレンズもおすすめです。
日差しが強い時には、グレーやミラー系を
曇天にはイエロー系を、
全天候に対応したいなら調光レンズを選びます。
しかし、調光レンズはレンズにより、
ものが濃く見えすぎるといった
デメリットもあるようです。
曇り止め機能があれば尚良い
雪山でサングラスを使うと、
自分の呼気や外気と内側の気温差で
レンズが曇ってしまうことがあります。
吹雪の時や陽の乱反射が激しい時には、
曇ったからといって、サングラスを
とることはおすすめできません。
できれば、
ダブルレンズのものを選ぶと良いでしょう。
グローブをはめた手でも扱えるフレーム。
雪山では凍傷が命取りになります。
特に末端の指先や足先は、凍傷の危険性が
非常に高く、手のグローブを脱ぐことは稀です。
その他、グローブをはめたままでも扱える、
フレームの太いものがおすすめです。
また、雪山は低温です。そのため、
フレームにメタルが露出しているものは
避けた方が良いでしょう。
カバーがついたものを選ぶようにしましょう。
雪山登山、みんなはどんなサングラスを使ってる?人気のサングラスもご紹介!
サングラスは数あれど、
雪山登山で使うサングラスは
どのようなものが良いのでしょうか?
雪山に限らず、紫外線は全方向、
あらゆる方向から降り注ぎます。
上からも、下からも、横からも
紫外線が迫りくるのです。
そのため、サングラス単体の使用ではなく、
帽子を着用するなどの対策も必要になります。
Cebe ProGuide(プロガイド)
フランス国立登山ガイド協会と
共同開発した登山専用モデルです。
紫外線の量でレンズが変色し、
晴天時の雪原でも紫外線をカットし、
眩しさを抑えてくれます。
日本人限定モデルのため、顔にきちんとフィット。
また、レンズ下には通気孔ついているので、
曇りが緩和されます。
JULBO(ジュルボ)
雪山登山といえば、
フランスのジュルボもおすすめです。
長い伝統に裏付けされた技術は、
現在も雪山登山家から深い信頼を得ています。
こちらはクラシックなデザインのモデルです。
他にも機能性に溢れたデザインもあります。
OAKLEY オークリー Turbine Prizm Snow Collection
スポーツサングラスのオークリーは
デザイン性も機能性も兼ね備えています。
こちらの商品は、ウインタースポーツ用に
開発されたものです。細部まで、
くっきりとした視界を実現するレンズは、
オークリー独自開発です。
まとめ
晴れた日の雪山の眩しさは
半端な強さではありません。
そのため、
サングラスは非常に重要な装備になります。
特に、雪目には注意が必要です。
雪目は角膜が傷ついて起こる症状です。
かかってしまうと
目に違和感を感じるどころではなく、
痛くて目を開けることも難しくなります。
しかも、雪目はすぐ症状はでません。
紫外線にさらされてから、大体6時間から
10時間が経過してから症状が現れます。
下山して、家に帰っているなら
「目が痛い!!どうしよう!」で済みますが、
これが登山途中や下山途中だったらどうなるでしょう。
命に直結する事態にも繋がりかねません。
雪山登山ではサングラスは必須です。
ご紹介した「選ぶコツ」を押さえて、
自分にあったサングラスを選んでくださいね。