クリスマスローズは
クリスマス時期である12月に咲き始める、
白い花弁が可愛らしい花です。
クリスマス「ローズ」といますが、
バラ科ではなく「キンポウゲ科」で、
日本では雪起こし、和名では寒芍薬と言います。
クリスマスローズの
花の部分は、花に見えますが、
実は花を全体的に支える役割を持つ
萼(ガク)です。
クリスマスローズは、
とても可愛らしい花ですが、毒があります。
学名は「Helleborus」です。
これは「食べると死ぬ」
という意味で作られた言葉です。
クリスマスのローズの根や茎には毒があり、
その昔はその毒を用いて狩をしていました。
また、「悪魔払い」と称して、
精神を病んだ人に飲ませることもあった
と言われています。
毒は強く、
心臓の収縮に働きかける作用があります。
また、根を傷つけて取れる樹液は
皮膚につくと炎症やただれを引き起こします。
クリスマスローズの毒を口に入れると、
死には至りませんが、目眩や
吐き気、腹痛などを引き起こします。
そのため、ガーデニングで
クリスマスローズを栽培するなら、
草の汁がついて
皮膚が炎症してしまう恐れもあるため、
取り扱うときには必ず手袋をしましょう。
そんなクリスマスローズの花言葉、
実はそんなに怖いものはありません。
毒がある、ということで
栽培することを敬遠する人も多いですが、
手袋をして皮膚をガードすれば、
それほど強い毒ではないため、
闇雲に怖がる必要はないのです。
日本語では雪起こし、とも呼ばれる
クリスマスローズは、
寒く生命も凍りついてしまったかのような冬に、
そっとその可憐な花を咲かせる希少な花です。
クリスマスローズの花言葉、本当のところを知りたい!怖い意味はある?ない?
クリスマスローズの花言葉は
「私の不安を和らげて」「慰め」「中傷」です。
少々、後むきな意味合いですが、
怖い意味の言葉ではありませんね。
「私の不安を和らげて」「慰め」
の花言葉の由来は、
イギリスのエリザベス時代にまで遡ります。
クリスマスローズは、古代ギリシアでは
狂人を正気に戻す花と信じられてきました。
人類初の生物兵器として用いられた過去もあります。
そして、悪魔払いにも使用しています。
エリザベス時代には、憂鬱をはらすのに
この花が使われていました。
この事実が
「私の不安を和らげて」「慰め」
という花言葉の由来になっています。
クリスマスローズで、
心に巣食う不安を払っていたのでしょう。
中傷は、茎や葉、根に毒があることから
この花言葉が付けられたようです。
そのほかには「追憶」や
「私を忘れないで」「いたわり」などがあります。
これらは、中世ヨーロッパに出兵する兵士が
戦場に赴く前に恋人にクリスマスローズを送った
というエピソードに由来します。切ないですね。
うつむきがちなその花の姿勢も、
後ろ向きな花言葉の由来に
関わったのかもしれませんね。
日本では、
クリスマスローズは茶室に飾られたり、
高木や中木の根元に花を添えるもの、
または薬用として用いられてきました。
日本に入ってきたのは鎖国が終わった幕末。
現在は色とりどりで
花の形もさまざまな種類がありますが、
その当時は、
花の色も地味で種類も少なかったため、
広く浸透はしませんでした。
現在のように
さまざまな花を楽しめるようになったのは、
平成に入った頃。
「クリスマスローズハイブリット」
という新しい品種が日本に入ってきたためです。
実は「クリスマスローズ」という呼び名は
ヘレボルスのたった一種類を表す言葉です。
それが、ヘレボルス・ニゲル。
白い花を咲かせます。
なぜ、ニゲルが
クリスマスローズと呼ばれるに至ったかは
「キリストの誕生」にまつわる話からでした。
貧しい少女が、
イエス・キリストの誕生に駆けつけましたが、
貧しく贈り物が用意できません。
それを悲しんでいると、彼女の涙が地面に落ち、
純白のニゲルの花が咲きました。
少女はこの花をつみ、イエス・キリストに捧げた、
というものです。
この逸話を知ると
後ろ向きな花言葉も、慈愛に満ちた、
相手を思いやるような意味に感じますね。
クリスマスローズも他の花と同じ?花言葉は色によって違うか知りたい!
クリスマスローズは、
市場に出回っているほとんどが
品種改良された、比較的新しい品種ばかりです。
さまざまな種類が日本に入ってきたのは
平成の頃ですので、その歴史はさほど古くはありません。
日本ではヘレボルス種を総称して
クリスマスローズと呼びますが、
諸外国ではクリスマスローズは
「ヘレボルス・ニゲル」ただ一種だけ。
諸外国、特にイギリスやヨーロッパでは
ヘレボルスの研究が盛んで、日本のように
すべて「クリスマスローズ」とは呼びません。
必ず名付けられた品種名で呼称されます。
そのため、他の花のように
色によって花言葉が違う、ということがありません。
フランスだけは、白い花だけ
他とは違う花言葉があります。
それは「結婚の申込」。
なんともロマンチックな花言葉ですね。
花言葉には関係ありませんが、
日本ではクリスマスローズを
「合格祈願のアイテム」として
贈ることが人気です。
クリスマスローズの花は、実は
花を支える「萼片(ガクヘン)」です。
そのため長い間、花を楽しむことができます。
このことから
「花が長く落ちない」と縁起を担ぐもの。
萼片が5枚で構成されているので
「5」「萼」=「合格」という駄洒落や、
「萼が落ちない=学が落ちない=成績UP!」
などこじつけのようなものまで!
また、「私の不安を和らげて」
という花言葉も、受験生にとっては
「そうなの!不安を取り除いて!!」
という共感を呼びますね。
まとめ
花の少ない冬の時期に、
開花時期を迎えるクリスマスローズ。
仄暗い過去を持つ花ですが、
現在では、冬の寒い時期に、
雪の下から可憐に花を咲かせる様子が
試練に打ち勝つように感じられます。
そのため、受験という冬を耐え忍ぶ
受験生そのもの姿に重なるとして、
そして、時期になると立派に花を咲かせることで
「合格祈願」の花として人気をよんでいます。
毒があるため、ガーデニングをする際には、
手袋をつける、肌を露出した状態で触らない、
などの注意が必要ですが、それさえ守れば安心です。
取り扱いに注意して、
可愛らしいクリスマスローズの花々を
楽しんでください。