子供の成長を祝う鹿児島特有の行事に、七草祝いというものがあります。それ以外の地域の人には馴染みのないお祝いですね。
七草祝いでは、数え年で7才の男の子・女の子が神社にお参りし、親戚や近所を7軒回って七草がゆを頂きます。
訪問を受ける場合には手作りの七草がゆを用意しておく他、お祝いとして親戚の子であれば5,000円~10,000円を包むのが一般的です。
近所の子ならお祝い金は用意しないか、包んでも3,000円程度とされていますよ。
そもそも七草祝いって何?!いわれややるべきこと、お祝いの金額もチェック!
七草と聞くと、お正月明けに食べる七草がゆを連想する人が多いのではないでしょうか?
年末年始やお正月に美味しいものを食べ過ぎてしまうことが多いので、胃を休ませるために七草がゆが良いとされていますね。
ただ、鹿児島ではこの1月7日の七草の日に、七草祝いというお祝い事をする習慣があります。
七草祝いは、数え年で7才になった子の無病息災を祈る鹿児島特有の儀式です。
神社にお参りにいって、その後親戚や近所の家を7軒回り、七草がゆを各家庭でもらいます。
着物や袴を着てご祈祷を受け、記念写真も撮るので、内容的には七五三に似ていますね。
鹿児島では、数えで7才の年には七草祝いと七五三をまとめて1回でやる場合もあるようです。
七五三は関東地方から始まって鹿児島にまで広まったものですが、七草祝いは薩摩藩の時代から行われてきた伝統的な行事です。
特に女の子の七草祝いには、かなり力をいれて取り組む家庭も多いのだそうですよ。
さらに、7軒をまわった後に宴会や食事会をする場合もあります。家庭で宴会をすることもありますが、会場がレストランや料亭であれば、七草がゆを出してくれることもあるようですよ。
また地域によっては、七草祝いは「七とこ祝い」や「ななとこさん」という名称で呼ばれています。そうした地域では七草がゆではなく、七草を炊き込んだ雑炊を7軒の家でもらって回るのだそうです。この七草の雑炊は「ななとこずし」と呼ばれています。
七草祝いで訪問を受けることになったら、七草がゆを手作りしておきましょう。玄関先で七草がゆを渡すことになる場合が多いですが、この時、七草がゆをお重に入れるか、お椀にいれて膳に乗せるのが決まりとされています。
お重などを七草祝いで訪問する側が持参してくることもありますが、持ってくるかどうかがわからなければ、念のため用意しておきましょう。
7軒もまわらなければならないので、お家にはあがらず、玄関先だけでの対応になる場合が多いですよ。あまり時間がかかるとお子さんも疲れてしまうので、スムーズに対応できると良いですね。
七草祝いでは、神社でのご祈祷のあとに順番に各家庭をまわっていくので、訪問の時間は予想しにくいですね。お参りの前後に記念撮影をする場合が多いので、訪問は早くてもお昼前から夕方の間になるでしょう。
また、七草祝いで訪問を受けた場合、七草がゆと一緒に、お祝いのお金も包んで相手に渡します。
お祝いの金額の相場は、親戚の子であれば5,000円~10,000円、近所の子であれば0円~3,000円とされています。近所の子ならお祝い金は渡さなくても良いという意見も多いようです。お祝いを包んで渡す場合は、のし袋の表書きには「御祝」と書かれたものを選びましょう。
七草祝いは七五三に似ている?!記念写真を撮るって本当?どんな写真を撮るの?
着物や袴を着て神社にお参りし、ご祈祷を受けて、記念写真を撮るという点では七草祝いは七五三とよく似ていますね。
基本的には着物や袴で子どもだけの記念写真を撮り、家族の集合写真を撮る場合もあります。また、中にはドレスやスーツに着替えて記念撮影をするケースもあるようです。撮影に時間をかけたい場合は七草祝い当日ではなく、別日に撮影だけすることも検討してみると良さそうです。
衣装のレンタルや着付けから、ヘアセット・メイク、そして撮影まで、すべてセットでやってくれる撮影スタジオも多いですよ。
着物や袴はこれを機に購入するのも良いですね。数えの7才で七五三のお祝いもやるなら、七草祝いの時に購入すれば、その後の七五三でも着ることができます。ただ、七草祝いにかかる費用の中でも、衣装代や写真撮影にかかる費用が大きいので、衣装をレンタルにして費用を抑えるのも有りですね。
まとめ
七草祝いは鹿児島特有のお祝いなので、鹿児島以外の人ではまったく知らないという場合も多いです。
やることは七五三に似ていますが、七草祝いの方が昔からある風習なので、鹿児島では七五三よりも
比重が置かれています。特に、他県から鹿児島に嫁いだ場合や移住した場合などは、地域の風習として知っておいた方が良いでしょう。
ただ、最近では親戚が少なかったり、近所付き合いが以前より少なくなったりして、7軒もの家を訪問はせず、神社にお参りに行くだけの場合もあるようです。
そんな現状でも七草祝いの行事をやるということは、昔ながらの家柄だったり、古い風習を大切に考えている家庭だったりする場合が多いです。お子さんの成長を祝う大事な行事なので、七草祝いの訪問を受ける場合にはしっかりと準備をして対応したいですね。