羽子板の羽根の根元は木の実なの?子どもに話してあげたい雑学とは?

雑学・豆知識
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羽子板の羽根の根元には、

黒いプラスチックの重りが

付けられていることが多いですね。

 

元々はプラスチックではなく、

ムクロジという木の実が使われていたのです。

 

ムクロジの種は硬く、重みやサイズも

羽根につけるパーツにぴったりでした。

 

また、漢字では「無患子」と書かれて、

子供が患わないように

という願いも込められているのです。

 

お正月に羽根突きをする機会があれば、

子どもに雑学として話してあげたいですね。

 

羽子板の羽根に使われているのは木の実!実がなる植物はどんな木なの?

 

羽子板の羽根の先についているパーツは、

昔はプラスチックではなく、

ムクロジという木の実でした。

 

ムクロジ科の落葉高木で、

新潟県より南側の

本州や四国、九州が原産です。

 

海外では中国大陸の南部や

台湾、ミャンマー、

インドにも分布しています。

 

よくお寺や神社、広めの公園に

観賞用として植えられていますよ。

木材は家具などの材料にされることもあります。

 

ムクロジの木は大きくなれば

高さ20メートルほどにもなり、

6月~7月に白い花をつけます。

 

花は直径4~5ミリと小さく、

穂のように集まって咲きます。

花が咲くと蜂などの

たくさんの虫が集まるのだそうですよ。

 

また、長さ7~18センチほどの

小さい葉っぱをつけ、

これがいくつも集まって

30センチから、大きいと

70センチもの塊になります。

 

花が咲いた後に

直径2センチほどの果実ができて、

10月頃に黄色く熟し、葉が落ちた頃に

オレンジ色や茶色っぽくなって、

しばらく枝に残ります。

 

中には黒い種が入っていて、

実を振るとコロコロと音が鳴ります。

この種が羽根につけられていました。

 

ムクロジという名前は

漢字では「無患子」と書きます。

子供が病を患わないように、という願いが

込められているのだそうです。

 

また、この黒い種を豆に見たてることで、

「魔滅」(まめ)で魔除けになる、

あるいは、マメに暮らせる、

といった縁起かつぎの意味も

あったのだそうです。

 

他に、羽子板が厄をはね返すという事で、

縁起が良いとされていましたよ。

 

また、江戸時代には

「羽根」と「景気を“跳ね”上げる」

というのをかけて、商売繁盛を祈って

プレゼントにされることもあったようです。

 

他に、とんぼに似た羽根を飛ばすことで

蚊よけのおまじないにしたという

話まであります。

 

昔の疫病は蚊が媒介になっていることが多く、

蚊を食べるとんぼに見たてた羽根を飛ばして

蚊を駆除する狙いがあるようです。

 

そこまでとんぼに似てはいない気もしますが、

羽子板で打てば、とんぼが飛んでいる様に

見えるのかもしれないですね。

 

色々な理由から

縁起物と考えられていたのですね。

 

また、物理的にムクロジの種が

羽根のパーツにぴったりだ

という理由もあります。

 

この種はある程度の重量があって、

さらに植物の種の中では

かなり丈夫なので、

羽子板で打っても壊れにくいです。

 

打てばよく跳ね返るのも、

1.5センチほどのサイズも

トータルで羽根突きに向いているのです。

 

羽子板の羽根に使われる木の実は活用の幅が広い?!実の雑学も詳しく解説!

 

ムクロジの種には、実は他にも

数珠や洗濯、食用と

色々な使い方があります。

意外にも活用の幅が広くて驚きですね。

 

数珠の材料に

 

ムクロジの種は、

数珠の玉の素材としても

重宝されていました。

 

ツヤツヤと綺麗な種は、

なめらかでさわり心地もよく、

神聖な数珠にふさわしいですね。

 

また、丈夫で欠けにくいので

使い勝手も良いですね。

 

ムクロジの実を貫いて輪を作り、

それを常に持って修行をする

といった内容をお釈迦様が説いたとも

言われています。

 

他の説もあるので

あくまで一説ではありますが、

数珠の起源なのかもしれませんよ。

 

石けんとして

 

ムクロジには

「サポニン」とよばれる泡立ち成分が

たくさん含まれています。

 

その為、石けんとして

洗い物に使われたり、

髪を洗うのに使われたり、

生活の中で洗剤や

石けんの役割をしていたそうです。

 

英語ではChinese soapberryや

soap nut treeと呼ばれて、

まさに石けんの意味になっていますね。

 

今でもインドでは天然の石けんとして

使っている場所があるそうです。

 

化学洗剤のような泡立ちではなく、

自然に消えるような

ナチュラルな泡立ち方なのだとか。

 

数個のムクロジの実と水を入れ物に入れて、

蓋をして振ると、

白く泡立って石けんとして使えますよ。

 

実物が手に入ることがあれば

試しに実験してみるのも楽しそうですね。

天然の素材なので、手指に優しい

ナチュラルソープになります。

 

食用にも

 

なんと、ムクロジは

炒れば食用にもなるのだそうです。

 

黒い種を炒って、殻を割ると

種の中身が食べられる部分です。

ただ、殻が硬いので

割るのはちょっと大変そうですね。

 

中身は大豆ほどの実で、食べてみると

ピーナツやアーモンドなどに

似ているのだそうです。

 

ミックスナッツに入っているような

味や食感で、

真っ黒な種からは想像しにくいですが、

意外にも美味しいと言われていますよ。

 

まとめ

 

今では羽根の先につけられる重りは

ほとんどがプラスチック製なので、

木の実が使われていたことを

知らない人も多いでしょう。

 

公園やお寺に行けば

ムクロジの木が育てられていたり、

実をとってあったりする場合もあるので、

お正月の機会に子供にこの話をして

実際に探しに行ってみるのも良いですね。

 

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