2月。
一年のうちで最も厳しい寒さ、
雪もまだまだ多い時期ですが、
暦の上では春を迎えます。
節分は冬と春とを分ける節目の時期。
季節が変わるという時には
「邪気」が入り込みやすいという
言い伝えから、
この日
「魔滅」(まめ)を撒いて
鬼(邪気)を追い払う
節分の行事が生まれました。
2月の初旬には立春を向け、
季節は春に変わります。
2月になったことから、
ゆっくり、少しずつ寒さが和らぎ
春の暖かな日差しが降り注ぎ始め、
3月には迎えるのです。
2月、立春を過ぎたあたりに
「余寒お見舞い」を認める
習慣があります。
季節に贈る挨拶状の一つですが、
1月の寒中お見舞い、
夏に送る暑中見舞い、
残暑見舞いと同じものですね。
春は迎えたけれど、まだ寒い時期に
相手の体調を気遣い送る挨拶文です。
このようなはがきに書く、挨拶文は
どんなものがふさわしいでしょうか。
書状のように
かしこまりすぎたものは
相応しくありませんし、
あまり砕け過ぎても失礼ですね。
挨拶文には、
これから暖かな春に向かうことを
表す文がふさわしいですね。
2月に咲く梅の花を使ったものや、
穏やかな春の日差しを
感じさせるような文章が
季節を感じさせ、おすすめです。
では、ビジネスに使える
2月の挨拶文をご紹介しましょう。
2月のはがきに書ける挨拶はどんな文章?職場で使える文例10個をチェック!
2月上旬
2月上旬は、冬の終わりと
春の始まりを表すようなものが
ふさわしいでしょう。
立春をすぎると暦上では春
2月初旬にある立春をすぎると
暦上ではもう春になります。
立春を過ぎ季節は春に向かっておりますが、まだまだ冬の名残が深く残っております。 皆様におかれましてはご健勝にお過ごしのことと存じます。 |
「漢文調」にしてかしこまった文に
かしこまった文例ならば
漢文調にして、礼にかなった
文面にしましょう。
冬に焦点を当てるなら、晩冬の候、
春なら立春の候を使うと良いですよ。
「これから春に向かいますね」
と前向きな挨拶の方が
気持ち的には明るくなりますね。
晩冬の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
立春の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
2月中旬
2月中旬には梅の花が咲き始ます。
「梅」を使った挨拶文
2月といえば、梅の花の開花時期です。
梅を使った挨拶文は
華やかな印象になりますね。
梅の蕾が膨らみ始め微かに香る梅の香りが感じられます。 ○○様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 |
かしこまった文章が良いなら「梅花」
もう少しかしこまった文章が良いなら
梅の花を意味する梅花を使いましょう。
梅花の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
寒が開けたのにまだ残る寒さ「余寒」
立春のあと、
寒が開けたのにまだ残る寒さのことを
「余寒」といいます。
春とはいえ、まだまだ厳しい寒さが残ります。 皆様におかれましてはご健勝にお過ごしのことと存じます。 |
余寒は漢文調でも使うことができます。
余寒の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
春一番「東風(こち)」
2月には春一番が吹きます。
春一番は「東風(こち)」
ともいい春の季語にも使われます。
梅東風の暖かさに春がそこまできていることを報せてくれます。 ○○様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 |
余寒と寒の戻りは同じ意味
余寒と寒の戻りは同じ意味です。
立春が過ぎた頃から前半くらいまで、
寒の戻りや余寒を使います。
寒の戻りで寒さが一層厳しく感じられます。 ○○様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 |
2月の下旬
2月の下旬ごろになると、
「春だけどまだ寒いよね」
というように、
「春」を前面に押した挨拶文が
ふさわしいでしょう。
雪解けの水
2月19日から下旬は二十四節気では
雨水という季になります。
雨水は、雪が雨に変わり、
雪解けの水で大地がしっとりと
潤いを帯びる頃のこと。
体感では未だ寒さ厳しいおりですが、
この頃を境に寒さの峠を越して
冬が去って行くとされます。
雪解け水が流れ始め、草木も草萌の季節を迎えました。 ○○様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 |
春の寒さやこれから春に向かうという言葉
漢文調では、春の寒さや
これから春に向かうという
言葉を使います。
2月下旬ともなると、もう
冬を表現するのは相応しくないですね。
春寒の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
向春の候貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
2月のはがきの挨拶、もっと凝った文例が欲しい!上級者向けの文例5つをチェック
もう少し掘り下げるなら、
季語を使うという手もあります。
上手に使えば、上級者のようですが、
間違った使い方をしてしまうと
大変恥ずかしいので、
きちんと調べてから使いましょう。
思い込みで使うのは絶対にNG。
「花冷え」など、綺麗な響きで
まだ寒い2月にぴったり!
と感じるでしょう?
しかし、花冷えは
「桜の花が咲く頃に、寒さが振り返すこと」で、
3月末から4月上旬を表す言葉なのです。
きちんと調べてから使えば
恥ずかしい失敗をしなくてすみますよ。
日脚伸ぶ
伸ぶ晩秋から立春を過ぎた頃に使う
「日脚伸ぶ」
これは一月下旬の晩秋から
2月上旬の立春を少し過ぎた頃まで使えます。
冬至もすぎ、だんだんと日が伸びて、
日が長くなったなあ、と感じ頃です。
草木も春の準備を始めます。
日脚伸ぶ立春の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
日脚伸ぶ、春の気配が感じられる頃です。皆様ご健勝のこととお喜び申し上げます。 |
ウグイス
ウグイスは春を告げる鳥です。
「梅にウグイス」は春の代名詞です。
いかにも春らしい情景として
この二つの取り合わせが好まれています。
黄鶯の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
黄鶯とは、
二十四節気七十二候のうちの
「黄鶯晛晥(うぐいすなく)」のこと。
梅の花が咲き始め、ウグイスの声も聞こえる頃です。 皆様ご健勝のこととお喜び申し上げます。 |
梅の花
梅の花は2月の季語です。
早春に他の花々に先駆けて咲く
ことから初告花、
花の兄と詠まれることもあります。
香り高く、梅林では
馥郁(ふくいく)たる香りが漂います。
梅の花が花開き馥郁たる香りが梅林に漂う季節です。 皆様ご健勝のこととお喜び申し上げます。 |
甘雨
早春の雨には
さまざまな名前が付けられています。
甘雨もその一つ。
甘雨の雪解けの頃の
草木を育てる恵の雨のことをいいます。
慈雨、養花雨とも呼びます。
甘雨が降り注ぎ春の芽吹きの音が聞こえ始めました。 皆様ご健勝のこととお喜び申し上げます。 |
甘雨の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
軽暖
冬の寒さが和らいで
暖かくなった頃の挨拶文に、
少し暖かくなりましたね、
という意味を込めて
軽暖の候を使ってみてはいかがでしょうか。
軽暖の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 |
まとめ
寒さがまだ厳しい二月、
しかし暦の上では春です。
草木が芽吹きの準備をはじめ、
日を追うごとに暖かくなる頃。
季節の変わり目です。
季節の変わり目には体調を崩しやすく、
しかも2月は暖かな日の後に
寒の戻りがあるため、尚、一層の
体調管理が必要な時期ですね。
インフルエンザも流行る時期なので、
結びには体調を気遣う文面を入れると
ほっこりします。
季節を感じて
素敵な挨拶文を考えてくださいね。