6月の挨拶は手紙にどう書く?!すらすら書ける時候の挨拶を学ぼう!

挨拶・挨拶文
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公式な文章に必ずと言っていいほど

用いられる時候の挨拶。

 

時候の挨拶は季節や天候に応じた心情、

季節感を表す言葉です。

もっぱら、頭語のあとに続きますね。

 

時候の挨拶は「季節感」が大切です。

24節気72侯を覚えておけば

時候の挨拶はお手の物!

 

また、その月の旬のもの、

行事なども知っていれば、

すらすらと書けるようになりますよ。

 

6月は言わずと知れた梅雨の時期です。

24節気では6月初めは小満、

6月中頃までは芒種、

6月下旬は夏至に分かれています。

 

72候は24節をさらに細かく分けたものです。

 

5月21日〜6月4日頃は小満(しょうまん)。

生命が成長する頃です。

 

6月に関係あるのは、72侯の末侯

「麦秋至」(むぎのときいたる)。

初冬に撒かれた麦が小麦色に熟すころ、

という意味です。

 

この頃は「麦秋」とも呼ばれ、

旧暦4月の異名にもなっています。

「麦秋の候」として使い、

梅雨入り前の時期の時候の挨拶です。

 

季節的には初夏に当たりますので、

「初夏の風が感じられる頃となりました」

など、初夏の季節感を感じる挨拶文と

組み合わせて使いましょう。

 

6月5日〜6月20日頃は芒種(ぼうしゅ)、

稲や麦など穂の出る植物の種を撒く頃。

本格的な梅雨の始まりでもあります。

この頃は「芒種の候」と書き出します。

 

72候では、6月5日〜9日までの期間は

初候の蟷螂生(かまきりしょうず)。

かまきりが卵からかえるころ、と意味です。

 

6月10日〜15日は、次候「腐草為蛍」

(くされたるくさほたるとなる)。

草の中から蛍が明かりを灯しながら

飛び交う頃、という意味です。

 

古く、蛍は暑さに蒸れて腐った草から生まれる

と信じられていました。

蛍は夏を感じさせる虫です。

夏の季語でもあります。

 

6月16日〜6月20日は

末候「梅木黄」(うめのみきばむ)。

タワワに実った青梅が

黄色く色づき始める頃です。

 

「梅の実が熟す頃の雨」だから

「梅雨」という、という説もあります。

 

6月21日〜7月5日は24節では夏至です。

夏至は本格的な夏の到来、

暑さが本格的になる頃ですね。

 

6月21日〜6月25日、夏至の初候は

「乃東枯」(なつかれくさかるる)。

夏枯草と呼ばれるウツボグサが枯れる頃

という意味です。

 

6月26日〜6月30日頃は

「菖蒲華」(あやめはなさく)、

菖蒲の花が美しく咲き始める頃。

 

6月の晦日、つまり30日は

「夏越の禊」が各地の神社で行われます。

 

茅の輪を潜って半年分の厄と穢れを祓い、

残り半年を無病息災で過ごせるように願う神事です。

 

30日に出す文書で利用しても、素敵ですね。

 

いくつか知っていれば強い?!6月の挨拶文を覚えよう!手紙使える挨拶事例集

 

6月は、梅雨入りから、初夏、そして

夏を本格的に迎える季語がふさわしい

時候の挨拶です。

 

入梅は6月11日頃。梅雨にかかるものは、

11日をすぎてから使うようにした方がいいですね。

 

6月時候の挨拶

《改まった手紙に適したもの》

「初夏」「麦秋」「万緑」「向夏」「薄夏」〜6月上旬 4日頃まで

「芒種」「鳴神月」「入梅」「長雨」「紫陽花」〜6月上旬 5日から20日頃まで

「夏至」「短夜」「梅雨晴」「霖雨」〜6月下旬 21日以降

 

これらには、「〜候」や「〜みぎり」と

組み合わせて使用します。

 

言い換えても使えます。

「初夏」は

「夏のは始まりが感じられる頃となりました」

 

「麦秋」は

「麦が黄金色に輝く頃になりました」

 

「紫陽花」は

「紫陽花の花が、雨の中咲き誇っています」

 

「短夜」は

「夏至が近づき、夜が徐々に短くなってきています」

 

「霖雨」は

「幾日も雨が降り続く季節となりました」

 

など、単語の裏にある風景を

言葉に置き換えると、悩むことなく

時候の挨拶に発展できますね。

 

時候の挨拶の後には、

相手のことを慮る文章を続けましょう。

例えば

 

「梅雨の候 貴社におかれましては

ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

 

「夏至の候 貴殿におかれましては

ご健勝の趣、何よりと存じます」

 

「紫陽花が雨の中咲き誇っております。

〇〇様もますますご健勝のことと存じます。」

 

「菖蒲の花が咲く頃となりました。

ご健勝のこととご拝察申し上げます」

 

というように、時候の挨拶から、

季節感を感じるような挨拶文が

でき上がります。

 

また、

旬のものなどをうまく取り入れると、

素敵な挨拶文ができあがりますね。

 

6月の季節の挨拶は手紙以外にも使える?!使える場面を詳しくご紹介!

 

季節の挨拶は、送付状や挨拶状、

お礼状にも利用できます。

 

メールにも利用することはできますが、

「メールの文章は短く要点を抑えて」

という考え方もあるので、

送る人を鑑みて臨機応変に対応しましょう。

 

贈り物の添え状の文面は、

時候の挨拶と贈る品の説明を記せば

相手のことを考えて贈る品物だということが伝わります。

 

お礼状、

お世話になっている方への挨拶文など、

気持ちを伝えることを目的とし、

今後のお付き合いも円滑に進めるために、

時候の挨拶はほどよい緩衝材になります。

 

まとめ

 

時候の挨拶は、日本の円滑な

お付き合いを促すためのツールです。

相手も同じ季節を感じられるように、

手紙を呼ぶときに

ふと、季節の移ろいを感じられるように

相手を慮って記す挨拶です。

 

現在ではそのような意味は薄れていますが

手紙の書き書き始めの緩衝材として、

堅苦しい印象になりがちなビジネスレターを

柔らかな印象にするために、

時候の挨拶は欠かせません。

 

「世界では使っていないから」

「日本みたいに四季がどの国にもないから」

「時候の挨拶は無駄」

と切り捨てるのは簡単です。

 

しかし、長い年月で培われた

日本の美しい文化を

「無駄」の一言で切り捨てるのは、

少し寂しい気持ちになりますね。

 

時候の挨拶は、相手を思いやる気持ち

とともに記される挨拶です。

それを念頭に置いて、

季節にふさわしい挨拶文を記しましょう。

 

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