七夕は、織姫と彦星の話が有名ですね。
恋愛に現を抜かして、
神様に引き離された織姫と彦星が
年に一度の逢瀬ができるのが七夕です。
七夕は、日本の棚機津女伝説
と中国の乞巧奠が組み合わさり、
現在の形になったと言われます。
中国の乞巧奠は、織姫彦星の再会を祝い、
織姫にあやかって、機織りなどの
技芸が上達するように願う行事です。
奈良時代に中国から渡ってきた乞巧奠が
日本の貴族に浸透し、庭に祭壇をもうけ
梶の葉に和歌を綴ったり、
たらいに張った水に星空を移して眺める
「星映し」を行ったりと、
風雅な行事と定着していきました。
この頃から、7本の針に5色の糸を通し
裁縫の上達を願ったり、
里芋の葉についた夜露で墨をすり、
その墨で願い事を書いたりと、
現在の七夕と同じようなことを行っています。
棚機津女伝説に由来して、
七夕は「たなばた」
と呼ばれるようになりました。
棚機は、織物を織る機械のこと、
棚機津女はその機織り機で神に捧げる
神御衣を折り上げる女性です。
七夕では素麺が食べられます。
これは、中国の逸話に由来しています。
中国でその昔、幼くしてなくなった
尊い人が多大な祟りを引き起こしました。
その祟りを治めるため、幼い尊い人の母親が
その子の大好物であった小麦粉のお菓子を
備えたところ、祟りが止み、国も落ち着いた
という話が起源です。
小麦粉のお菓子が日本に渡ることで、
同じ小麦を用いて乾燥させた素麺となり、
また素麺の形状が
機織りの糸に似ていることから、
七夕に素麺が食されるようになりました。
お中元の贈り物に素麺が多いのは
七夕のこの話が関係しています。
実は深い意味があった!七夕に短冊を飾るのはなぜ?と聞かれたらこう答えよう!
七夕はお盆の行事でした。
お盆の時期は「あの世」と「この世」
の境界線が曖昧になる時期です。
ご先祖様もこの時期に帰ってくると
言われていますね。
お盆は夏真っ盛り。
暑さに疲れた疲れた老人や子どもが
命を落としやすい時期でもありました。
七夕祭りで笹を使うのは、
笹は生命の象徴とされていたから。
また、高く育った笹は空に近いところまで
その葉を伸ばします。
笹は天の神様が寄り付くところ
(依代)ともされていました。
昔の人は空に近ければ近いほど
神様が近くなると考えたのですね。
また、笹の葉には抗菌作用があり
夏場に多い食中毒の防止にも一役買っていたようです。
七夕飾りは中国伝来の儀式
「乞巧奠」に由来します。
巧みを乞うて奠(そなえる)という意味の
この儀式は、織姫にあやかり、
機織りなどの技芸の上達を願うという儀式です。
この乞巧奠が奈良時代に日本に伝わり、
貴族たちが手習や技芸の上達を願ったといいます。
現在のように
さまざまな意味をもつ飾りがついたのは、
江戸時代に入ってから。
七夕が五節句の一つに数えられるようになり、
人々に親しまれ庶民の間に浸透して行きました。
七夕祭りは、お稽古や勉強など、
物事の上達を願う日です。
また、七夕には、穢れを人形に移して
川に流す行事もあります。
七夕は節句の一つ。
身についた汚れや邪気を払うための行事と
考えましょう。
七夕に天の川を折り紙で作るのはなぜ?短冊以外の飾りの意味はこれだ!
七夕の笹飾りには、それぞれ意味があります。
歌にもある「五色の短冊」‥
五色とは青、赤、黄、白、黒です。
青は緑、黒は紫で表されます。
五色は、古代中国の陰陽五行に由来し、
5色は「木、火、土、金、水」を表しています。
短冊には願い事を書いて吊るします。
願い事は、物欲に塗れた物ではなく、
お稽古ごとが上達しますように、
というような手習ごとの上達を願う方がいいとされます。
吹き流し‥
鯉のぼりのてっぺんにもついている吹き流しは、
魔除の意味があります。
七夕では、織姫に供える織糸を表し、
織姫にちなんで裁縫が上達するよう願いを込めます。
網飾り‥
漁網を模しています。大漁を願って。
財布(巾着)‥
折り紙で折ったり、本物の財布を
吊るしたりもするそうです。
金運上昇を願って。
神衣(または紙衣)‥
紙で作った人形、もしくは着物を飾ります。
人形は「ヒトガタ」にもつうじ、
災いや汚れの身代わりになってもらえるよう吊るします。
また、裁縫の上達と、
着るものに困らないようにとの願いも
一緒に込められます。
くずかご‥
紙で七夕飾りを作るので、
どうしてもゴミがでますね。
七夕飾りを作ったあとのゴミは、
折り紙で作ったくずかごに入れて一緒に飾ります。
質素倹約、整理整頓の心を育みましょう。
折り鶴(千羽鶴)‥
つるは長寿を表す鳥ですね。
長寿を表す鶴をおり、長生きできるように願います。
まとめ
七夕祭りは、笹に願い事を書いて吊す行事です。
行事食は素麺ですので、七夕の日には、
五色が入った素麺を食べて、夜空を見上げましょう。
七夕行事も地域によって様変わりします。
北海道では、七夕に「ローソク出せ」
と言って家を尋ねて歩きます。
和製ハロウインのような感じです。
「ローソク出せ出せ出せよ!」
と歌いながら、近所の家を回って
お菓子をもらう行事です。
また、青森では「ねぶた」が、
土着の七夕祭りや禊払いが変化して定着しています。
北海道の「ローソクもらい」」は
このねぶたが伝播し、変化したものと言われています。
有名なのは、仙台の豪華絢爛な
七夕祭りでしょうか。
日本各地で催される七夕祭り、
調べると意外な行事が行われていて、
興味深いですよ。
七夕祭りは手習やお稽古の上達を
願うための日です。
「〇〇が欲しい」というお願い事は、
クリスマスまでとっておきましょう。
「〇〇になりたい」
「〇〇がうまくなりたい」
などの上達を願うお願い事なら、
きっと織姫様や彦星様が力を貸してくれるはず。
うまくなるための努力を怠らないように励みましょうね。