手紙を書く時には、冒頭に
気の利いた挨拶を入れたいですね。
手紙の冒頭に書く言葉と
似たようなものに季語があります。
手紙の挨拶と季語、どちらも
季節を表現する言葉である
という点では同じです。
しかし、手紙に書くものは
時候の挨拶と呼ばれ、それに対して
季語は俳句で使われるものとして
区別されています。
時候の挨拶は
かしこまった漢語調のものと、
柔らかい言い回しの
口語調のものがあり、
その後に相手を気遣う言葉を
付け加えるのが基本です。
初夏の季語を応用して、
手紙の挨拶に取り入れる方法も
ご紹介しますよ。
手紙を書くなら知っておこう!初夏の季語と挨拶文はこう違う!挨拶文はこう書く!
手紙の冒頭には
季節を取り入れた挨拶、いわゆる
時候の挨拶を書きますが、
これと季語は別物です。
季語というのは、
俳句に使われる季節を表す言葉で、
俳句を作る時は基本的に
季語を使わなければならないと
されています。
通常は1つの俳句に
1つの季語を入れますが、
2つ以上の季語を使うこともあり、
その場合は
「季語重ね」や「季重ね」
と呼ばれます。
反対に、
季語の入っていない俳句を
「無季俳句」と呼びます。
また、俳句ではなく川柳の場合には
季語を入れなくても問題はありません。
このように、季語は
俳句限定で使われるもので、
手紙に書く時候の挨拶とは
異なります。
しかも、季語の季節は
実際の季節とはずれているのです。
俳句の世界で採用されている季節は
二十四節気が基になっています。
冬至の日を中心に、
1年を24等分したもので、
冬至や夏至、春分、秋分や、
立春、立夏などは現代でも
馴染みのある言葉ですね。
しかし、この二十四節気は
旧暦で季節を表す目安として
設定されたものなので、
現代の春夏秋冬の季節とは
ずれてしまいます。
例えば、
春の始まりである立春は2月4日頃、
夏の始まりである立夏は5月6日頃で、
現在一般的に使われている
新暦で言う春や夏の始まりに比べると
かなり早い感じがしますね。
初夏はこの二十四節気で言うと
立夏から芒種までの間の期間にあたり、
新暦でいう5月上旬から
6月上旬くらいの時期を指します。
また、初夏の季語には
「卯月」や「柏餅」、「筍」
などがあります。
これに対して、
手紙の最初に書くべき季節の挨拶は
「時候の挨拶」と呼ばれ、
季節や天候の変化を表現する挨拶です。
大きく分けて、漢語調と口語調の
2種類があります。
漢語調のものは
「~の候」や「~のみぎり」
という形式で、~の部分に
それぞれの季節に適した表現を
入れて使います。
初夏の時期には「新緑の候」や
「薫風の候」、「初夏の候」
などが使われます。
これらはある程度、定型文の様に
決まった表現になっているので、
~の部分に入れる言葉が
その季節に合ってさえいれば、
そのまま使えて簡単です。
ただ、
初夏は春から夏への変わり目で、
梅雨も入ってくるため
天候が不安定です。
いくら例年の季節感に
合っていると言っても、実際に
まだ暑くなってきていないのに
「向暑の候」と書いてしまうと
おかしいですよね。
実際の季節や、
相手の住んでいる地域の季節に
合っているかどうかに注意して
使いましょう。
口語調のものは、
特に書き方の形式に決まりはなく、
季節を感じられる内容を
話し言葉でつづるので自由度が高く、
アレンジもしやすいです。
例えば、
「青葉若葉のさわやかな季節」や
「あじさいの花が日ごとの長雨に色づいて」
といったものです。
こちらも、漢語調のものと同じように、
実際の季節に合っているかどうかに
気を付けましょう。
あなたが体験した
身近な出来事を使いやすいので、
実際の季節とずれることは
あまりないはずです。
しかし、
相手が遠方に住んでいる場合や、
手紙を投函するまでに
時間が空きそうな場合には、
相手に違和感を与えないように
うまく調整しましょう。
そして、手紙の挨拶では
これらの時候の挨拶の後に、
相手の健康や状況を尋ねたり、
気遣ったりする言葉を続けます。
例えば、漢語調を使った
きっちりした挨拶なら
「入梅の候、皆様におかれましては、
なお一層ご活躍のことと拝察いたしております。」
などがあります。
親しい人に送る手紙の挨拶であれば、
「長かった梅雨もあけ、初夏の風が爽やかな季節と
なりました。皆さんお元気でいらっしゃいますか。」
のように柔らかい口調になります。
初夏の季語を挨拶に盛り込むことはできる!?上級テクをチェックしよう!
季語は基本的には
時候の挨拶とは区別されるものですが、
季節感を表現できる言葉なので、
手紙の挨拶として使うこともできます。
例えば、
季節の区切りとなる「立夏」や
梅雨を表す「梅夏」といった季語は
使いやすいですね。
または、自然の変化に注目した
「新緑」や「万緑」、
「青葉」、「若葉」、
他にも天候の移り変わりを表す
「向暑」なども初夏の季語です。
これらの季語はそのまま
漢語調の時候の挨拶の~の部分に
入れて使うことができます。
季語のチョイスさえうまくいけば、
意外と簡単で便利ですね。
また、季語をそのまま
挨拶に使わなかったとしても、
季語の季節の元になる二十四節気は、
手紙の挨拶を考える時の
参考として役立つので、
知っておいて損はありません。
まとめ
日本は四季の変化がはっきりしていて、
季節の変化を身近に感じられるのが
嬉しいですね。
それを手紙の挨拶にもうまく
取り入れれば、
出だしから素敵な手紙の雰囲気を
作り出せそうです。
季語は時候の挨拶とは違うものですが、
同じ季節をあらわす言葉として、
上手く取り入れたいですね。