子供の日が近づいてくると、
男の子がいる家庭では
兜を飾りますね。
この兜には、武士の命を
守ってくれる役目から、
男の子を病気や事故などの
災いから守り、
丈夫な子に成長できるように、
と願う意味があります。
また、兜には頭を覆う兜鉢や、
兜の前後左右に付ける
装飾の立て物、首を守る錣など、
様々なパーツがありますよ。
これらについても詳しく解説します。
兜の意味を改めて深掘り!兜の部位それぞれにも名前や意味があるって知ってた?
兜は武士の命を守ってくれる
防具ですが、そこから男の子を
病気や事故などの災いから守り、
丈夫な子に成長できるように、
と願う意味もあります。
これが端午の節句の行事ですね。
兜を飾る端午の節句は、
中国の行事からきています。
中国に「五節句」
という季節の行事があり、
これは日本の季節の行事とも
深く関わりがあります。
五節句は下記の5つ。
1月7日:人日の節句(七草の節句)
3月3日:上巳の節句(桃の節句)
5月5日:端午の節句(菖蒲の節句)
7月7日:七夕の節句(笹竹の節句)
9月9日:重陽の節句(菊の節句)
このうちの一つが端午の節句ですね。
節句は季節の変わり目で、
邪気が集まりやすいと
考えられていたので、
お供えや飾り付けをして
厄払いすることを習慣としていました。
中国では5月になると雨期に入り、
病気になりやすいと考えられ、
菖蒲を飾ったり、煎じたものや、
菖蒲に漬けたお酒を飲んだりする
邪気払いが行われました。
一方、日本では5月に
「五月忌み」の行事がありました。
田植えに備えて、
若い女性が神社で身体を清める
というものです。
これらの中国の邪気払いと、
日本の五月忌みが一緒になり、
田植えの前に女性が菖蒲で邪気払いをする
「菖蒲の節句」の風習が始まりました。
鎌倉時代になって、これが
「端午の節句」に変化しました。
武家が台頭し、「菖蒲」と、
武道を重視する「尚武」が
同じ音なのが由来です。
元々、梅雨の前になると
武士の家では兜や鎧を出して風を通し、
お手入れをして飾る習慣がありました。
これらが元になって、
身を守るための兜・鎧を飾ることで、
病気や事故などの災いから
男の子を守り、
丈夫な子に成長できるように
という願いを込める行事になりました。
兜と一言で呼んでいますが、
よく見てみると様々な部品から
できていることがわかります。
実はこれらの部品には
一つ一つ名前がつけられています。
兜鉢(かぶとばち)
頭を覆う部分、
兜のメインのパーツですね。
形によって様々な種類がありますが、
大きく分けると4つ。
1つ目は頭の形に最も近い頭形兜(ずなりかぶと)、
2つ目は筋のようにラインが入った筋兜、
3つ目は桃のような形のその名も桃兜、
そして4つ目は尖った凹凸がついた星兜です。
立て物(たてもの)
兜の装飾のことで、
兜の前面につける前立(まえだて)や
側面につける脇立(わきだて)、
天辺につける頭立(あたまだて)、
後ろ側につける後立(うしろだて)
など、
つける位置によっても種類があります。
最初は兜と一体型でしたが、
衝撃を受けた時に取れやすい方が
頭部へのダメージを軽減できるので、
「楔形」の前立が使われることが
多くなったそうです。
前立
立て物の一つで、兜の前面につけます。
竜の形をした
竜頭(りゅうず)が多いですが、
他にも鍬形(くわがた)や
半月(はんげつ)、
天衝(てんつき)や
高角(たかずみ)など
様々な形のものがあります。
脇立
兜の側面につける立て物の一つ。
昔は二本が
平行になっていたそうですが、
鎌倉時代末期から末広がりに
角度がつけられたのだそうです。
吹返(ふきかえし)
兜の左右の両端についた
耳当てのような部分。
刀が顔に当たらないようにする
防御の為と、
甲冑師の高い細工技術を
見せる為という
2つの意味があります。
当時は、
金属を彫って仕上げる「本彫金」や、
革をなめして漆で模様をつける
「印伝」などの細工技術があり、
美しい吹返が作られたそうです。
しかし、その後戦い方が変わり、
身分の高い武士が
前線に出ることは少なくなり、
吹返も小さくなっていったのだそうです。
錣(しころ)、錏板(しころいた)
兜の後ろ側や、
左右両側から後ろ側に付ける
板のことです。
兜から垂れるように取り付けて、
首を守る役割を果たしました。
いくつ付けるかによって
呼び方が異なり、3枚なら3枚兜、
5枚なら5枚兜というように
呼ぶそうです。
また、鉢と錣をつなぐ板を
「腰巻き」と呼びます。
目庇(まびさし)
おでこの辺りにある、
帽子で言うツバにあたるパーツです。
刀や弓から額を守ったり、さらには
日差しや雨を遮ったりする役割があります。
下記のサイトに写真付きで紹介されているので、
あわせて参考にしてみてくださいね。
意味を知ったら兜を折ろう!?大きく作れる折り方は新聞紙を使った折り方!
兜を飾る意味が分かったところで、
子供と一緒に兜を作ってみるのは
いかがでしょうか?
新聞紙を使えば
大きな兜を作ることができますよ。
作り方
1 | 新聞紙を横向きに置いて、端から斜めに三角形を作るように折ります。 |
2 | 三角形からはみ出た部分を切るか折り込んで、正方形を作ります。 |
3 | 半分に折って三角形にして、長い辺を下にして置きます。 |
4 | 左右の角を、上の角に向けてそれぞれ折り上げます。 |
5 | これを上下逆さまに、ペラペラと開く方を下に向けます。 |
6 | ペラペラした角を、上の頂点に向けて折り上げます。 |
7 | 今折ったばかりの頂点を、外側に向かって斜めに折り返します。 |
8 | 下に残ったペラペラの部分のうち、上にある1枚を上に向かって2回折り上げます。 |
9 | 下に残ったもう1枚を兜の中に入れ込み、出来上がりです。 |
詳しい作り方は下記サイトを参考に見てみてくださいね。

まとめ
子供の日に飾るものなので、
子供の成長を祈るものという事は
知っている人も多いでしょうが、
細かなパーツの名前や意味については
あまり知られていないですね。
ちょっとマニアックですが、
知っていれば子供に
詳しく教えてあげることができます。