2018年夏、
親たちの間に激震が走りましたね。
「夏休みの宿題廃止説」
いったいどこから始まったのか。
ネット上では大論争。
でも、この話、
実は真っ赤な嘘だったんです。
確かに、夏休みの宿題を
廃止した公立中学はあります。
東京都千代田区立麹町中学校では、
宿題を一切排したことで話題になりました。
テレビ番組、カンブリア宮殿でも
取り上げられた学校です。
しかし、それ以外の情報は、
ネットを探しても見当たりません。
あるのは、安倍首相の画像を使った
フェイクニュースのみ。
しかも元ネタは
「宿題代行」を出品禁止にするという
文部省とメルカリなど三社との合意だった模様。
また同時期に
「夏休み廃止」の噂も流れました。
これも真っ赤な嘘でした。
そもそも、夏休みがある理由は、
「暑すぎて授業ができないから」
「藪入り習慣からの影響」
「お盆の行事へ参加するため」で、
「普段学校では体験することのできないことへの挑戦をすること」が
目標に掲げられています。
何はともあれ、親たちの間に衝撃を与えた
「夏休み宿題廃止説」は全くのデタラメ
現在では、なくなる見込みはなし!
と断じても良さそうですね。
そもそもどこから始まった?!夏休みの宿題がなくなる話の経過と現状を振り返る!
「夏休み、宿題廃止説」は、
ネットのフェイクニュースでした。
そもそもは
「夏休みの宿題代行をネットオークション等で取引するのを禁止」したと
文部省が発表したことから始まります。
宿題代行の出品をメルカリなど
フリーマーケットサイト三社が
出品禁止にすると文部省と合意したことの
ニュースです。
有名情報番組で使われたように
安倍首相の画像に「宿題制度廃止へ」と
テロップをつけた「誰か」が
SNSで発信したのが始まりでした。
8月30日に
配信されたこのフェイクニュースは、
すぐに嘘とばれましたが、
これが尾を引き、
翌年にも同じ噂が流れたようです。
しかし、
夏休みの宿題は少なくなっている
傾向にあるのは事実です。
「学校の宿題より、習い事を優先させたい」
という親たちの訴えにより、
宿題量はかなり少なくなっています。
現在の小学生の宿題を見ると
「え?これだけ?」と思っている
親も多いのではないでしょうか。
また、脳科学者茂木健一郎氏による
「宿題はなしにして、夏休みは夏休みにしかできないことをしようよ」
という意見があります。
夏休みの宿題はなしにして
夏休みにしかできないことをしようと
考える親は一定数存在します。
夏休みの宿題は、ほとんどが親が
代わりにやっているから意味がない、
学校の宿題より、塾やお稽古ごとの方が
重要だから宿題が煩わしい、
宿題をみなくてはいけない時間が
もったいないと感じる親御さんも
少数ですが、います。
しかし、大多数の親は
「夏休みの宿題は必要だと思う!」
と答えているのです。
夏休みの宿題は本当になくなる?子どもの学力は保てる?今後の展開を徹底予想!
現状では、夏休みの宿題が
なくなることは考えられません。
有名中学の例はまだまだ
普通の学校には浸透しないでしょう。
麹町中学は、「麹町ブランド」によって
優秀な学生が集まっています。
自主的に勉強する力も、親が子どもに
十分な教育をさせるだけの力もあります。
しかし、一般的な学校はどうでしょうか。
一般的な公立学校ではさまざまな
家庭の事情を持った子どもが集まります。
教育にお金をかけられない親や、
忙しくて子どもにかまっていられないうちも
あるでしょう。
「宿題」という枷がなくなった夏休みに
勉強をする子はいるでしょうか。
夏休みの宿題は、
前期の復習も兼ねています。
長い休みの間に、
算数や国語の能力が低下する
と言った研究結果も出ています。
宿題がなければ、
親の経済力、関心度によって学力の差が
さらに大きくなるでしょう。
現状では夏休みの宿題は
今後、少なくなることはあっても
なくなることはないとの見解が多数です。
まとめ
「夏休みの宿題廃止説」は全くのデマです。
しかし、そこには
親の願望が入っているのかもしれません。
夏休みの宿題も「子どもの宿題」ではなく
「親の宿題」になっている、
との声も聞こえます。
特に自由研究は「親の宿題」として
定着しているという見解もあり、
宿題代行という商品が成り立ったのは、
「親が子どもの自由研究をやっている」
ということが前提にあるのでしょう。
教育界では
「宿題の廃止」の声は高まっています。
しかし、宿題を廃止すると、
さらに重要になる「家庭学習」は、
親の負担をさらに大きくする可能性もあります。
現在でも親の経済力、子への関心度が
子どもの学力の差に大きく現れています。
夏休みの宿題がなくなれば、
経済力、関心度が高い親たちは
塾やお稽古ごとに通わせ、
余裕のない家庭の子との学力差は
開く一方になります。
格差社会がより一層ひどくなるでしょう。
「夏休みの宿題の質」についても
疑問にする向きがあります。
自由研究と読書感想文、
日記に計算と漢字のドリルが
夏休みの宿題の定番です。
これは、昭和から続く定番で、
年号が変わった今、この宿題の内容事態を
見直す必要があるのではないでしょうか?
学習を毎日継続して実行する力は必要です。
そのため、
復習になる計算や漢字のドリルは、
毎日、短い時間ですむ量を、
読書感想文や自由研究は
「自主的に」取り組む学習に。
そして、その分、普段はできないことに
集中する時間に当てる。
また、家族で会話する時間に当てるなど、
長い夏休みをもっと有効に使える「宿題」に
移行できればこのようなフェイクニュースに
一喜一憂することはないでしょう。
夏休みで一番重要なのは実は
「規則正しい生活を崩さないこと」です。
宿題の要、不要はともかく、
だらけすぎない夏休みにしたいですね。